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■中国国防白書に見る海軍強化と行動領域拡大 海軍大佐「戦って必ず勝つ」
 2013.7.9

 中国では軍民が一体となって「富国強軍」を目指しているが、2012年版の国防白書は経済権益の確保を名目に中国の武装力が今後、世界に活動範囲を広げる2つの可能性を示しており、注目点を紹介したい。(フジサンケイビジネスアイ)

 一つは中国の国益の海外拡大に伴う武装力の行動領域の拡大である。「経済発展および企業の海外投資や派遣人材などの新たな国益や財産・人命の防護」も武装力の任務とされたが、国外への出動では関係国と主権が絡んだ摩擦を招くことになる。

 その背景として白書は「国際的に覇権主義、強権政治、新たな干渉主義が台頭しており、衝突は絶えない」「テロリズム、分裂主義、過激主義の脅威が高まり、海外利益と安全が脅かされている」との情勢認識を示していた。

 国防白書の発表に合わせた記者会見で、国防省楊宇軍報道官は「中国の海洋権益や核心的利益が侵されれば、必ず反撃する」と発言しており、中国の強硬姿勢が注目された。

 今後、経済的利益や同胞救助の名目で、域外への武装力出動は増えようが、その動向は中国の影響力拡大の思惑もあり、注目されよう。



 もう一つは、活発化する近年の中国による海洋進出である。白書は「海洋は中国の持続可能な発展のための資源を保障する空間」(3章)との見方を示し、「海洋権益を守る」ことを強調している。

 中東からの石油輸入や戦略物資を輸入するルートに当たる南シナ海やインド洋のシーレーンも海洋権益とし、その防衛も「軍の重要な職責」だと表明している。

 関連して中国の海洋進出に伴う尖閣諸島をめぐる日中間の軋轢(あつれき)に関して白書は「日本が釣魚島(尖閣諸島の中国名)問題で騒ぎを起こしている」と国名を挙げて異例な記述をしていた。そして前出の報道官は「中国政府と中国軍は、釣魚島の主権を守る決意も能力もある」と述べ、日本を強く牽制(けんせい)している。また同席した総参謀部の呉喜●(=金へんに華)大佐も「戦争には反対だが、戦争を強いられたら、戦って必ず勝つ」と物騒なことまで述べていた。

 その上で、全国人民代表大会(国会に相当)では公安相の指揮下に置かれた国家海警局を新編し、これまでの「海監」や「魚政」などの公船を統合運用し、かつ司法権を発動できる態勢に強化している。(拓殖大学名誉教授・茅原郁生)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130709/chn13070911030001-n1.htm



■安倍首相の「中国は今、力による現状変更を試みている」発言に中国共産党機関紙が反論 2013.7.8

 安倍晋三首相が7日に沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)や南シナ海をめぐる問題に触れ「中国は今、力による現状変更を試みている」と述べたことについて、8日付の中国共産党機関紙、人民日報は「中国は隣国との友好関係を維持する政策を堅持している」と反論する論評を掲載した。

 論評は「安倍氏が釣魚島や南シナ海の問題を持ち出して中国のイメージをおとしめようとしている」と主張。「事実を無視し、でまかせを言えば事態は悪化するばかりだ」と警告した。

 その上で「一世代前の両国の指導者のように、国の責任や政治的な知恵、歴史的責務を考慮し、関係を発展させるべきだ」と訴えた。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130708/chn13070819390004-n1.htm