こんにちは、GOLD STAR松原です。
空いた時間が出来ると、ギターのメンテナンス作業のクオリティをアップさせるための練習と作業手順の見直しをしています。
なぜかというと ”より正確かつスピーディーな作業” ができる様にしたいからなんです。
個人店ということもあり、自分でやらなければいけない事が多くあります。同じ作業でもスピーディーに作業が出来れば他の事にまわす時間が出来ますし、お客様にもより早くギターをお戻しできます。
そして、せっかく任せていただいたギターですので、丁寧な作業で完成度も上げていきたいと思っています。
そういうわけで、リペアマンに聞いたりYoutubeを参考にしたりして自分に合う方法を真似たりアレンジを加えながら試行錯誤しています。
その一環として ”Paul Reed Smith(PRS)のトレモロブリッジの高さ調整" 作業の見直しをしてみました!!
(持ち込みで引受ける事は滅多にありませんが・・・・)
PRS工場から調整された状態で出荷されていますので、基本的にはイジる必要はありません。(PRSサイトでは、ブリッジ本体の高さ調整については「ヘタにイジってはいけない」みたいな事が書かれています。)
当店のセットアップは好評の弾き心地”弦高ちょい低め”ですので、通常のブリッジ高さであれば1弦のサドルはほぼ下がりきった状態になります。その為、通常よりブリッジが高い場合はブリッジを下げなければいけなくなります。
<PRSの推奨するセッティング>
「ブリッジはボディから1/16"(約1.6mm)浮いている状態」
「12フレットでの弦高は2/32"(約1.6mm)」
(このセットアップだと6弦開放でのアームアップした時、1音上がります)
ちなみに、ストップテイルピースの場合は
「12フレットでの弦高は 1弦側2/32"(約1.6mm)、6弦側5/64"(約2mm)」となっています。
1.6mmというと1円玉(厚み1.5mm)がちょうどボディとの間に入る程度です。
さあ、ブリッジを分解して「正確かつスピーディーに作業をする」この状態に出来るか?
自前の95年製CUSTOMで検証です!! (いつも練習台になってくれる大事な愛機です)
<方法 1>
6角レンチを使う
弦とトレモロスプリングを外し、ブリッジをボディに落とします。
ブリッジプレートとネジ頭の隙間に2.5mmの六角レンチを潜り込ませ、6本とも同じ隙間になる様にネジを締めます。
<方法 2>
プレートを挟む
方法1と同様に弦とトレモロスプリングを外し、ブリッジをボディに落とします。
ブリッジとボディの間に自作した厚さ2.5mmのプレートをかませて、ネジ頭の位置がブリッジプレートでちょうど留まる位置まで均等に締めます。
<結果>
長年負荷が掛かったためにビスが若干歪んでいた事もあり、均等にビスを締める事が難しかったです。近年の歪んでいないビスであればもう少し精度が出るかもしれません。中古で入荷した時に役立ちそうです
あと、自作プレートはもう少し硬い素材を使った方が良いかもしれません・・・。
今のところベターな方法は
*自家製プレートを敷き、1、6弦側のビスを締める。
*プレートを外し、トレモロスプリング2本と弦を緩く張り、均等に1.6mmになる様に微調整。
*弦を緩め、トレモロスプリングを外し、残りの4本のビスを締める。ネジの頭基準ではなく、クビレの位置を基準に揃える。
*トレモロスプリングを全部取り付け、弦も通常どおりに張る。
*アームをアップ・ダウンさせ動きがスムーズが確認しながら微調整。
という事になりました。
調整や修理は「これが正解!!」というのがあまり無いので、色々な方法があります。
これからも勉強して、お客様に頼られるより良い作業ができるように頑張ります!!
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