ヴーヴクリコを愛して (13) | Goldrushのブログ

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「まあ、似たような経験をしているのね」

寿美子が話を引き取った。

「籤こそ引かなかったけれど、私は高校時代の英語の先生にあこがれていて、それで、英文科に決めたの。 それに、私だって、法律などというお固いものはノーサンキューでしたものね。」

「でも、安西さんはたしか、法律事務所へお勤めですよね。」

「ほんとに何の因果なんでしょうね。 と、言っても、法律事務所へ入ったのはずっと後の事よ。
大学を出てから、最初は商社へ入ったの。
昔のことですから、コンピューターなんか勿論なくて、タイプライターの時代よ。 
しかも、手動の。
タイプを打つのは面白かったし好きだったの。
事務もきらいではなかったし、それなりに、興味を持ってお仕事をすることはできたの。
でもね。当時は男性と女性では、すぐに待遇が違ってしまうのよ。
男性は3か月も数とワンランク昇進してお休養も上がってしまうの。
勤務実績と加貢献度とか、そんなものは全く関係が無くて、男性か女性かの違いだけでなのよ。
1年もたつと男性は海外へ派遣され始めるのだけれど、女性はいくら頑張ってもまず無理。
そんなことが分かって、どうしようかと悩んでいる時に、今の法律事務所のパートナーのMr.クラークからお話を頂いたの。
「こんど、新しくパートナとなった弁護士さんが秘書を探しているのだけれど、如何ですか」って。