今回は、スケートの神様と呼ばれ、絶大なるファン層を世界い誇るカート ブラウンニング氏のお話をさせて頂きます。現在当クリニックに週2回程度メンテナンスに来ている彼は、フィギュアスケート世界選手権において4回の優勝という偉業を成し遂げ、その後スターズ・オン・アイスをはじめとする世界のアイススケートショーで20 年間トップスケーターとして君臨し続けている実績の持ち主なのです。そんな彼に、まず驚かされるのは彼のメンテナンスの行き届いた身体です。
50歳手前という長年酷使してきたはずの体が、想像を遥かに超えた質の高さで維持されている事です。その秘密を探ろうと色々質問を試みてみましたが毎回、回答が興味深いので紹介させて頂きます。

1)相当体の手入れに気を使う?
「1日2回のストレッチを欠かさない事と夏は十分に休息をとり楽しむことさ!」
2)ジャンプを飛ぶコツは?
「高く跳ぶ事さ!跳べば回るのは何回でも簡単さ!」
3)スケーターに一番大切な事は?
「甘い言葉(滑り)で近寄り、観客の心を一挙に掴む事さ!」

①体を酷使した分、生活のリズムのオン オフのメリハリをつける。自分の体の限界を知り充分な休息をとる。
②スケートの常識にとらわれる前に体の構造や物理法則などを基本に自然の摂理に逆らわないシンプルな発想で考える。
③相手の心を知る事により自分のやるべき事を知る。

といったところでしょうか?
有名なクラウンのパフォーマンスを初め、テクニックだけてなく多彩な表現を可能にするのは、このような彼独自の考え方や、クリニックに入って来るだけで可笑しさを感じさせる彼の持つ独特の「間」にあるように思います。今日も、受付で出会った患者さんの「あっ カートでしょ?」の問いに、「Sometime!!」などと軽くかわして帰って行きます。そんな彼も、多くの怪我と闘ってきたとも話してくれました。
そんな時に彼も実践してきた「応急処置の基本はRICE」(筋肉を痛めた時)をご紹介します。

Rest 十分休養をとる
Ice 患部を冷やす
Compression 患部を圧迫する
Elevation 幹部を高く上げる
捻挫した時などに有効で、ダメージを最小限に抑えたり回復を早くしたりします。