『オッド・トーマスの受難』 ディーン・クーンツ 早川文庫NV
清く正しく美しく!
セクースせず銃も車も持たないエコな
21世紀のヒーローオッド・トーマスが帰って来た!
銃社会車社会のアメリカで
このヒーロー像が如何に素晴しいか戦慄したまえ!
『サイレント・アイズ』 の続編だと気づいていない人の為に、
彗星教団のことがまたチラッと出てくるので
読み飛ばさないようにw
次巻はバーソロミュー教会の修道院が舞台、
修道士が
「教会の設立者のバーソロミューは眼球が無くても物が見えるという奇蹟を起こした」
などという文をキボーン!
『五百万ドルの迷宮』 ロス・トーマス 早川ミステリアス・プレス文庫
フィリピンのアキノ政権に反乱するテロリストの首魁を処理せよ!
謎の組織はテロ研究家を500万ドルで雇う。
500万ドルに惹かれ危険な奴等が来る!
これはロストーの中でプロットが比較的判り易く、
謀略小説と言うより冒険小説の雰囲気で始まるので、
ロストー入門には最適だと思う。
無駄に思えるエピソードもラストで見事に収斂します。
主人公は第二次大戦中に自分の部隊が壊滅した後に、
フィリピン人の抗日ゲリラに身を投じて戦い続けたのがさすがロストー!
昭和の大日本帝国軍は悪の枢軸で、米軍は正義の組織だが、政府の軍隊組織はダメポw
『朱温』 仁木英之 朝日文庫
『夕陽の梨―五代英雄伝』 を導入部として完全インクルードし、
続きを書いて四倍に膨らませたもの。
これを読めば『夕陽の梨―五代英雄伝』 は読む必要はない。
上巻は、愛する家族の為ではなくて他人の夢を背負って戦う朱温がデラかっちょええ!
愛を求めない彼が妻にしたのは、
諸葛孔明の妻のような不細工で知的な女性なのも素晴しい!
家庭の団欒などは無く妻との会話は戦略会議のみのかっちょよさ!
孔明以上に信賞必罰がシビアで凄い。
戦に強い武将だが、卑怯な暗殺作戦も建てる悪の魅力もありますよ。
曹操+諸葛孔明のような凄い英雄が朱温!(褒め過ぎか?)
が下巻に入って、妻が死んで若い頃の恋人にそっくりな女が現れ、
朱温は女狂いになりおかしくなる…。
部下の妻にも夜這い仕掛ける情けなさ。
唐皇帝から帝位を簒奪し朱温の暴走は続く。
これは敵側の方にファンが付きそうだな。
李克用や楊行密のファンの方が多くなりそうだ。
『神が忘れた町』 ロス・トーマス 早川ミステリ文庫
神が忘れた町、
それは逃亡者に25万$で完璧な隠れ家を提供する
人口1万人足らずの小さな町ドゥランゴ。
陰謀に嵌められ刑務所に送られ、
判事の職を失ったジャックは、義理の息子のケリーと共にドゥランゴにて、
敵への反撃を開始する。
弁護士時代や判事時代に稼いだ50万$を使い切る前に、
敵を焙り出し決着は付くのか?
裏切りも計算した複雑な謀略戦が開始される。
資金に限りがあるのに、
死亡した味方の母への送金は最後まで続けようとする主人公がかっちょええ!
プロットが複雑すぎて途中まで理解し辛いが、終盤はデラ面白いです。
『モデル・ワールド』 マイケル・シェイボン 早川
「S ANGEL」
「海岸通り」
「モデル・ワールド」
「ブルーメンタール、放送中」
「スモーク」
「億万長者」
「小さなナイフ」
「人間以上」
「海軍将校」
「ハロウィーン・パーティー」
「失われた世界」
後半5編はオムニバスだが、これが良い!
『悩める狼男たち』 の打率の悪さに
マイケル・シェイボン の短編集は見捨てようかと思ったが、
これ読んで思いとどまった。
SF純文学キタ━━(゚∀゚)━━!
という感じですな。
題を全て有名SF作品と同じにすると更に良かったが、
そこまで贅沢言ってはいけませんなw
科学者やSF者を主人公にした珠玉の純文学短編集である。
登場する科学者は、
地質学者、素粒子物理学者、応用気象学者等。
ミクロの世界を研究している科学者と、
マクロの世界を研究している科学者が、
互いに「お前の研究対象は存在してない」と
罵るシーンは傑作!
物理で一番重要な概念はフェイズ移行=相転移である。
ミクロな素粒子に観測問題が生じるから、
人間も宇宙も他者に観測されないと存在出来ないという論旨は、
氷は熱いという説と同じ様なポンポコピーである。





