表層人間の半可通読書とゲームリプレイブログ(略称半読書リプレイw) -27ページ目

『メロス・レヴェル』 黒武洋 幻冬舎文庫

メロス・レヴェル (幻冬舎文庫)/黒武 洋
¥760
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サバイバルゲームの勝敗の面白さを追求したエンタメなのか、


人の絆の美しさ儚さを訴える文学なのか、


感動のパワーポイントが分散した感じ。


ミステリとしては勝ち残る者の


読者の推理は絶対外れる傑作とも言える。


サバイバルゲームものとして、


味方の裏切りや敵を助けるパターンがあって、


単純な友情努力勝利の物語ではないのは捻りがあっていいが、


福本伸行 に比べると切れ味が悪い。


ゲームのルールに数学的必勝法があるかもという考察もして欲しかった。


日本政府の陰謀が前面に出て来ないのは残念。


続編でやる雰囲気ではあるが…。


『そして粛清の扉を』 の続編でもあるので、


黒武洋 の小説はみんな繋がっている同じ世界の物語なのか?


黒武洋 ファンの方に読む順番の御教示をお願いしたい。


次の黒武洋 作品は「パンドラの火花」を読む予定です。


『宇宙に隣人はいるのか』 ポール・デイヴィス 青木薫 訳 草思社

宇宙に隣人はいるのか/ポール デイヴィス
¥1,890
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生命が発生する確率は10の四万乗分の一、


宇宙に地球型惑星が一兆×一兆個あったとしても、


生命誕生は有り得ない。


生命発生の確率を満たすには宇宙は狭すぎる。


今の宇宙より少なくとも一万倍の広さは必要だと言う、


いない派の論旨が参考になる。


それでも著者はいるというトンデモ理論を開陳しているがw


物理法則の中に複雑な組織系が生まれる法則があるそうですw


宇宙は必ず生命体、自意識を持つ知的生命体を生み出さねばいけないそうですww


宇宙人を考えるにおいて、


自意識を持たない知的生命体も論考しているのはちょっと知的レベルが高いが、


物理学者のくせにこの著者は哲学に汚染されている傾向がある。


素晴しい自意識が進化のオマケ、単なるボーナスでは許せないらしい。


目的論必然性を否定するのが科学的立場だが、


この著者はさすがに神の御業は否定しているが、


突然変異と環境適応で意識ある人間に進化したという進化論は否定してます。


人間に進化したのは偶然の積み重ねなのに、


この著者は必然だと言ってます。


まともな進化論学者は、スティーヴン・ジェイ・グールド もリチャード・ドーキンス も、


歴史を巻き戻してもう一度進化させても、


人間なんて誕生しない、知的生命体に進化しないと言っているが、


この著者は自意識を持つ知的生命体に進化するのが必然だと言ってます。


訳者の青木薫氏もこの著者の考え方は危ないと後書きで触れてまして、


この著者は基地外だが、訳者の青木薫氏の素晴しさが認識出来たのは良かった。


自分が訳した本でも原著者のおかしいところはおかしいと突っ込める


青木薫氏は信用出来る。


理系の翻訳本は青木薫訳を追っかけようと思います。

『おとり捜査官 1 触覚』 山田正紀 朝日文庫

おとり捜査官 1 触覚 (朝日文庫)/山田 正紀
¥735
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ポルノっぽいのも読者をミスリードする技法であり、


ありえない意外な犯人の本格推理の傑作。


強姦者と痴漢の犯罪心理は違うとか、


犯罪心理捜査官ものとしても傑作。


解説者はジェフリー・ディーヴァー のリンカーン・ライムシリーズに


匹敵するかのように書いてます。


リンカーン・ライムシリーズよりこっちの方が書かれたのは先。


天才正紀なので、


世界中の天才の傑作を先取りしていても当たり前。


正紀に匹敵するほどジェフリー・ディーヴァー が進歩していたのなら、


リンカーン・ライムシリーズを読みたいと思いました。

『笑う男』 ヘニング・マンケル 創元推理文庫

笑う男 (創元推理文庫)/ヘニング・マンケル
¥1,323
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本書のベストセリフ


「夢?警察官が夢をもつのか?」



"クルト・ヴァランダー"シリーズ第四作。


人権擁護国家スウェーデンの珠玉の警察小説。


正当防衛で悪人を射殺した主人公が、


罪悪感に苦しみ1年半も鬱病になって休職してしまう展開は、


正義の殺人を賛美するありふれたアメリカミステリにはありえない展開。


B級アメリカ文化に汚染された心が浄化されます。


総合評価はもちろんヒラリー・ウォー には劣るが、


上品さや美しさは素晴しい!


私生活ボロボロで夢も希望もない主人公が、


スウェーデン経済界の大物が画策した巨悪に挑む!


大金を持っている者は悪い事をしたからだという世界観も素晴しい!


公私混同しない私利私欲の無い警官なんて現実にはいないだろうが、


小説なんだからヘニング・マンケル のように理想の警官を描いて欲しいですね。


オイコラ!と威張って悪人を合法的に射殺したい奴が警官になる時勢だもんなw

『もういやだ! この疲れた心を休め、甦らせてくれる心の専門家50人』 三楽舎

もういやだ!この疲れた心を休め、甦らせてくれる心の専門家50人
¥1,000
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神はもちろん、魂も心も精神も存在しないと主張するのが、


科学教の信者である。


存在しない心の悩みという概念は大笑いである。


普通なら絶対読む事のない本だが、


三楽舎 から献本されたのでネタとして読んだ。


全国の心理カウンセラー50人を紹介した実用本だが、


読み物として面白くなるような努力は読み取れるので


エンタメ本として少しは評価していい。


心を救うというと、宗教方面にも入ってしまうが、


占い師、催眠術師、気功師、霊媒師も、


救った実績がある人は出て来ます。


対面カウンセリングに留まらず、


ヒーラーとしてのトンデモネタも真面目に紹介されているのは、


科学教の信者には大爆笑である。


カウンセリング料金は一時間一万円前後というのが相場らしいですな。


一万円あれば良書を大量に読んで心は救われると思うんだが、


人を救うのは人のみという思考の信者には、


他人に救ってもらわないとアカンのでしょうな。


アートセラピーとか音楽セラピーも出てくるが、


文学セラピーは出てこない。


ブで105円で買った本で救われてはいけないらしいw


本読む能力のある人にはどうでもいい本だが、


初回は無料カウンセリングするというカウンセラーも載っているので、


無料の暇潰しを探している人にはいいアトラクション案内本ともいえる。


バブル時代ならこの本はもっと売れると思うが、


年収200万円以下のワーキングプアがゴロゴロしている現在、


カウンセリング料金が一時間一万円と聞いて、


怒り狂う人もいるだろうなw


時給千円日給8000円月収20万円で、


夢の年収200万円突破を目指している人達は、


こんな世界があると知って、逆に心の病気になりそうだw


弁護士同様、精神カウンセラーも、


貧乏人なんか救いたくないと思っているのが本音だろうから、


料金高いと怒るのは筋違いか?w


一番安い人は、一時間1750円を提示しているが、


夢の時給千円の世界に憧れる貧乏人には縁の無い世界w


貧乏人は心の病にかかって自殺する破目にならないよう、


病に罹る心が無いと思うのがお値打ちですぞ!

『拡がる環』 ロバート・B・パーカー 菊池光 訳 早川ミステリ文庫

拡がる環 (ハヤカワ・ミステリ文庫―スペンサー・シリーズ)/ロバート・B. パーカー
¥630
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スペンサーシリーズ10作目。


ハードボイルドと言うより、もはや恋愛小説。


愛は弱点になるという指摘は恋愛障害者にも楽しめます。


スーザンとの男女の愛より、


ポールとの師弟愛が私にはより面白かったです。


軟弱ニートひきこもり少年だったポールが、


スペンサーを説教するほどに成長して再登場!


教師属性親属性を持つ者は、


自分が教育した子供に説教されたら、


恩師に何抜かすゴルァ!


とキレルものだろうが、


大人しく教え子に諭されるスペンサーもまた一流である。


美術ネタは、


イタリアルネッサンス、ワシントン国立美術館、


ロダン、フランス印象派、


キュビスム、ジャクソン・ポラック、


レンブラント、フェルメール、


フランス・ハルス、ベネルクス、


ユトリロ、テラコッタ人形。


イタリアルネッサンスが悪役として出てくるのがさすがである。


フランス印象派ももちろん雑魚扱い。


スペンサーが一番好きなのはレンブラントだと明らかになりました。


スペインネタがまだ出て来ないのは残念だが、


美術後進国のアメリカ在住なので、


アンテナ狭いのはしゃあない。


ベネルクス美術に辿り着くだけでも、


野蛮なヤンキーにしては上等である。


私は世界一の美術大国はスペインだと思っているが、


二位がベルギー、三位がオランダだとも思っているので、


スペンサーの趣味は納得出来ます。


優れた美術ミステリでもあるスペンサーシリーズは、


知性ある美術ファンには必読である。






『神君幻法帖』 山田正紀 徳間書店

神君幻法帖/山田 正紀
¥1,680
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山田風太郎の『甲賀忍法帖』のオマージュ。


効果は全く同じ忍法も出てくるが、


カタカナの科学用語を駆使した理屈が、


現代科学でより詳しくなってるのが読みどころ。


現在の科学知識で山田風太郎が忍法帖をリメイクしたら


こうなるだろうという作品。


不死の忍者も空飛ぶ忍者ももちろん出ます。


本家同様、無茶苦茶な忍法に、


科学的なこじつけを付ける面白さは再現されているが、


忍法帖の枠組みの作品なので、


自分で枠組みを破壊して忍法帖を葬った山田風太郎の


天才性には到達していない。


これの次は、『くのいち忍法帖』のオマージュの『おんな幻法帖』だそうだが、


風太郎の『海鳴り忍法帖』に相当する作品を書けるかに、


正紀の天才性の証明がかかっている。


『オッド・トーマスの霊感』 ディーン・クーンツ 早川文庫NV

オッド・トーマスの霊感 (ハヤカワ文庫 NV ク 6-7) (ハヤカワ文庫NV)/ディーン・クーンツ
¥1,050
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解説の瀬名秀明氏が主人公は、


21世紀のヒーローだと言ってまして、


クーンツファンと言えども、大袈裟ですわね。


と思いましたが、


読んで吃驚!


絶賛度が足りないと思いました。


21世紀文学の頂点が、


世紀末までまだ90年もあるのに出現してしまいました。


2100年に一度の傑作!


ホラーと本格ミステリを見事に融合させた奇跡のような作品。


第一章20Pでいきなり大ドンデン返し!


もう騙されませんわよと思って読んだが、


終盤にも大ドンデン返しの嵐が吹き荒れる!


心地よく騙され続ける至高のミステリである。


シリーズの一作目なので全ての謎が解明されるわけではありませんが、


スーパーナチュラルの正体の推理が、


ホラーとしても物凄く怖いです。


単純に地獄の悪霊だと思わせて、


究極の絶望推理には戦慄しました。


天然ボケのクーンツですので、


幽霊のレゾンデートルをアウフヘーベンする凄いギャグも爆裂します。


社会的メッセージももちろんありますが、


主人公が20歳の青年なので、


他の作品みたいにヒネタ中年の説教臭さはなく、


清清しく胸に迫って来ます。


喜怒哀楽全ての感情を見事に刺激する至高の文学。


新しい文学は読者を感動させてはいけなくて、


読者を如何に突き放すかの文学的実験が評価されるが、


本書は平易な文体の一人称で嘘を混ぜるという技法ですので、


書かれている文を単純に事実として認識してはいけない、


ある意味究極の実験技法を使っているので、


新しい文学としてもノーベル文学賞クラスだと思います。


大絶賛しても、クーンツの最高傑作は


『ウォッチャーズ』 でしょ?


『ウォッチャーズ』 には劣るんでしょ?


と思う諸兄がいるかもしれませんが、


巻が進むと『ウォッチャーズ』 とリンクするみたいです。


『ライトニング』 や『ストレンジャーズ』 にもリンクしそうな雰囲気です。


雷鳴は轟きませんが、タイムトラベルは既にこの巻でやってます。


守護天使と言う単語も出てきます。


絶対障壁の描写は『ウィンター・ムーン』 を思わせます。


木の描写は、 『サイレント・アイズ』 を想起させます。


主人公のキャラ造形は、『コールド・ファイア』 と同じメシアコンプレックス。


坂道でトラックに轢かれそうになったが、『コールド・ファイア』 では救えた少年が、


こちらでは救えなかったような感じ。


『対決の刻』 や『チックタック』 に出て来る


銃ぶっ放し大アクションする女の別世界類似体のような女も出てきます。


主人公の相棒の犬さんはまだ出て来てませんが、


巻が進むと出て来るみたいです。


クーンツ世界の大甲子園になる予定のこのシリーズは、


クーンツファンは必読であり、


クーンツを読んだことがない人も楽しめる


至高の小説である。

『議論の余地しかない』 森博嗣 講談社文庫

議論の余地しかない―A Space under Discussion (講談社文庫)/森 博嗣
¥600
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『すべてがFになる』

『冷たい密室と博士たち』
『笑わない数学者』

『詩的私的ジャック』

『封印再度』

『まどろみ消去』

『幻惑の死と使途』

『夏のレプリカ』

『今はもうない』

『数奇にして模型』

『有限と微小のパン』

『地球儀のスライス』

『黒猫の三角』

『人形式モナリザ』

『月は幽咽のデバイス』

『魔剣天翔』

『今夜はパラシュート博物館へ』

『恋恋蓮歩の演習』

『臨機応答・変問自在』

『スカイ・クロラ』


の名セリフを森博嗣が撮った写真を背景に語り、


更に森博嗣のコメントを付けたフォト・エッセイ。


写真は全てカラーで、


エッセイ集というよりは、写真集であります。


これ1冊で20冊を読んだ振り出来るお値打ちな本だがねw


ごめんなさい、ごめんなさい、


そのうち、ちゃんと読みます。


萌絵がムカツクので、なんか読む気が出ません。


S&Mシリーズ以外を先に読むべきでしょうか…。


『パーク・サイドの殺人』 ヒラリー・ウォー ケイブンシャ文庫

パーク・サイドの殺人 (ケイブンシャ文庫) パーク・サイドの殺人 (ケイブンシャ文庫)
橘 雅子

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私立探偵サイモン・ケイシリーズ。


『トップレス・バーの女』 よりは劣りますが、


サイモン・ケイのキャラは魅力的ざます。


ハードボイルドの主人公にしては、


欲望が少ないのがいいざんす。


基本的に煙草は吸わず、


独身主義なので、女も遠ざける努力をするという、


ストイックなヒーローなのが素晴らしい!


今回、200万ドルの価値がある宝の地図争奪戦に巻き込まれたケイは、


もちろん、最後に地図を手に入れるが、


女もオマケに付いてくるのに、


「完璧になるのに金は必要ない」


とお宝を本来の持ち主に返してしまうかっちょよさ!


美しい女ももちろん刑務所に叩き込みます。


真面目で上品なウォーの世界は堪能出来ます。


金にこだわるのは下品ですわよ。オホホ。