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 かつて、日活ロマンポルノは、「ポルノ」でありながら独特の芸術性を観るものに発信した。後に日本映画界で大きな仕事をした監督たちも輩出した。雑誌の「エロ」記事も現場の人間を描き、取材する若いライターを育てていった。だが、現代のエロに、はたして若者を救う力はあるのか? ノンフィクション・ライターの神田憲行氏が考察する。  * * *  そういえば「神代」と書いて「くましろ」と読むことを、日活ロマンポルノで知ったんだったなあ。渋谷ユーロスペースで開催中の「生きつづけるロマンポルノ」で上映されるラインナップで、神代辰美、藤田敏八、相米慎二らの名前を見てそんな感慨にふけった。  よく指摘されるように、日活ロマンポルノ映画は低予算で撮影された「ポルノ」でありながらも独特の芸術性を展開し、後に日本映画界で大きな仕事をした監督たちの揺籃期を支えた。  巨匠たちと比べてはいけないが私もエロで救われた。同世代の社会派ライター(40代後半)氏とお酒を飲んでいて、「昔はエロがあって助かったなあ」という話で今も盛り上がる。  エロ取材の何がいいかというと、まず食える(笑)。家賃三万円の風呂無しアパートに住んでいた私にとって、「エロ記事書く=来月も東京に居られる」ということだった。なにしろネットなんてない時代だから、風俗体験記事からインタビュー、ルポなどエロ記事の需要は高かった。  20代の駆け出しライターにとって、取材・執筆の場数を踏むことが出来たのも有り難かった。編集部からポンといきなり六万円渡されて「吉原いって面白い記事書いてこい」と言われたことがあるし(大阪弁で交渉するとソープランドが値切れるという記事書きました)、何回も取材していた池袋のSMクラブでは、控え室で背中にもんもん入れた女王様が英語の勉強をしていた。 「将来は翻訳家になりたいの。でも小説とか映画は競争率が高いから、技術翻訳を狙ってる」  ソープランドで働く女性は、「お肉を食べた翌日の男の人のあれは甘いの。だから遊びに行く前に是非焼肉食べて来てと書いて」と私に頼んだ。  どんな商売でも、真面目に取り組んでいる人の話は襟を正して聞く価値があると、エロ取材の現場で教わった。ま、お陰で縛られてローソク垂らされているM男君モデルとしてグラビア飾っちゃったりしたことあるけれど。  今の駆け出しの若いライターたちはどこでメシを食って、経験を積んでいるのだろう。週刊誌にはもう取材したエロ記事などほとんどない。あるのはAVの紹介記事だ。それでは風俗やエロの現場で真摯に働いている人たちの声を伝えることはできない。そのAVでも、かつての日活ロマンポルノのような文学性・芸術性をもった作品があるのだろうか。神代辰巳や藤田敏八はそこにいるのか。  渋谷ユーロスペースに入ると、客は7割の入り。私より上のごま塩頭のお年寄りもいれば、若い人もいる。女性専用シートがあるから女性も1割ぐらいいた。異才を生んだ、右も左もわからない若者を食わせてくれた「豊かなる辺境」として、エロはずっと生きつづけて欲しい。 【関連記事】
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 太平洋島しょ国16カ国・地域が参加する第6回太平洋・島サミット(PALM6)で沖縄を訪れた各国首脳の夫人8人は26日、恩納村立恩納小中学校(宮城みゆき校長)を訪ね、子どもたちと交流。サンゴの移植の土台となるプレート作製など、和やか時間を過ごした。また9月に開学予定の沖縄科学技術大学院大学も視察した。  交流会には、トンガ、サモア、クック諸島、ミクロネシア、バヌアツ、ソロモン、パラオ、日本の8カ国の首脳夫人が参加。同小中校の児童生徒が空手や棒術を披露。また夫人と児童生徒が一緒になり、サンゴ移植プレートへの絵やメッセージを書き込んだ。質問コーナーでは各国の暮らしなどについて子どもたちからたくさんの質問が上がった。  クック諸島のアカイティ・プナ首相夫人は「皆さんとこのような形で交流でき、とてもうれしい」と語り、作製したプレートを、移植作業を行う恩納村漁協のダイバーに贈呈した。  同小2年の田中柊(のえる)くん(7)は「緊張したけど、沖縄と似ている食べ物を食べていることなどが分かり楽しかった」と語った。恩納中生徒会長で中学3年の具志堅百絵(もえ)さん(15)は「沖縄と似ているところ、違うところが学べてよかった。英語をもっと勉強し、もっと多くのことを質問できるようになりたい」と話した。  大学院大学では国際再生可能エネルギー機関ワークショップなどを見学した。 【関連記事】
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 今春、北星学園大大学院に進学した札幌市清田区の安達朗子(あきこ)さん(27)。明るい表情で学校生活を送る彼女の姿からは、事故で視力障害を負ったことが想像できなかった。  12年前の高校1年の夏、自宅近くの道路で信号無視の暴走車にひき逃げされた。一命は取り留めたが、脳挫傷、肋骨(ろっこつ)骨折などの重傷。事故前後の記憶はいまだに戻らない。  事故から約1週間、意識がはっきりとしてきたが、突然、ものが二重に見えた直後、電気を消すように視界が真っ暗になった。「お母さん、カーテン開けて。電気をつけて」。目が見えなくなったことに気づいた。  全身の激痛と暗闇の恐怖の中、両親の励ましの声が聞こえた。「見えなくなったことには意味がある。苦しみは乗り越えるためにあるんだ」。父の言葉が心の支えとなった。  事故から3カ月後、奇跡が起きた。看護師がベッドの電気をつけた瞬間、安達さんの目の中に巨大な光が飛び込んできた。「光った」。右目は少し明るさを感じる程度だが、左目は針穴のように小さな視野が開けた。視神経の一部が再生したのだ。  その後、懸命のリハビリに取り組み、20歳で道高等盲学校に入学。1日10時間以上の勉強に励み、08年に北星学園大学短大部英文学科に進学し、10年に同大文学部英文学科に編入、今春、首席で卒業した。  3月には札幌市内で開かれた米ポートランド市との姉妹都市提携記念の弁論大会で高評価され、親善使節として同市を訪れた。「英語教育の研究者として社会で認められる人になって、日本やアメリカで活躍したい。人には無限の可能性があることを証明したい」  どんなふうに見えているか、聞いてみた。「(視野のある)左目の小さな穴以外は、無数の星のような光に包まれている感じです」。安達さんが見ている光は果てしなく広がる希望の世界だ。【写真・文、貝塚太一】 5月27日朝刊 【関連記事】
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