前回の記事で配線器具についてお知らせしましたが、昨今DIYが流行っていることもあり自分で工事しようとされる方も多いと思います。今回はそういった配線器具などを使った工事をする際に電気工事士の資格がいる場合といらない場合の違いについて話していきたいと思います!

ひとえに電気工事といってもいろいろな工事があり、

通信設備工事
1)LAN工事:インターネットルーター・モデム等への接続配線、社内ネットワークの構築・配線などの作業。
2)TVアンテナ工事:地デジ・衛生放送アンテナの設置・調整、テレビ端子増設、ブースター交換などの作業。
3)インターホン工事:インターホン・ドアホンの配線接続、感知器・電話との連動調整などの作業。

電灯・コンセント工事
1)照明器具工事:天井や壁面への照明器具配線接続、交換・増設、蛍光灯照明からLED照明への交換などの作業があります。また、照明用引掛シーリングの設置なども含まれます。
2)コンセント工事:スイッチやコンセントの配線接続、交換・増設などの作業があります。スイッチの3路スイッチ化など、利便性を向上させる工事も行います。

換気・空調設備工事
1)換気設備工事:一般換気扇・有圧換気扇・レンジフードファンの設置・交換などの作業。
2)空調設備工事:室外機・室内機に接続電線を接続する作業、接地(アース)に関する作業。

漏電改修・分電盤工事
漏電調査、配線改修、契約アンペア変更、ブレーカー交換、分電盤交換のなどの作業。

防犯設備・火災報知設備工事
防犯灯・防犯センサー・防犯カメラの設置、電気錠取り付け、感知器設置、自動火災報知の信号配線などの作業。
ただ機器を設置するだけでなく、ジョイントボックスを使って電気配線を接続するなどの作業も含まれます。

太陽光発電設備・オール電化工事
太陽光発電設備および付帯設備の設置、オール電化・エコキュートの設置などの作業。

一般家庭に関するものを挙げただけでもこれだけの種類の電気工事があり、商業用や産業用としてはもっと専門的な電気設備があります。


電気工事の具体例をいくつか挙げましたが「工事費を安くで済ませたい、簡単そうだから自分でやってしまおう。」と思われるものもあるかもしれません。 しかし電気工事は場合によっては「感電」や「火災」を起こす可能性があり、非常に危険なので安易に自分でやるのは厳禁です。図面には専門的な記号と最低限の指示しか書かれていないものも多く、基本的な知識がなければ読み解くことができません。
さらに自宅に穴を開けたり、スイッチボックスを取り付けるなど、建築関係の技術も必要な場合があります。
そのため『電気工事士法』という法律で資格がないと作業してはいけないものを定めているので、電気工事の資格と資格なしでも作業可能な範囲について見てみることにしましょう。

まず電気工事士には二種類あり、
第二種電気工事士:住宅、小規模な店舗等の一般用電気工作物の電気工事作業に従事できる資格。
第一種電気工事士:第二種電気工事士で可能な作業の他、工場やビルなどの自家用電気工作物で、最大500KW未満の電気工事作業に従事できる資格。

「資格無し」でも可能な電気工事については、
●電圧600V以下で使用する差込み接続器、ねじ込み接続器、ソケット、ローゼット、その他の接続器または電圧600V以下で使用するナイフスイッチ、カットアウトスイッチ、 スナップスイッチその他の開閉器にコードまたはキャブタイヤケーブルを接続する工事。

●電圧600V以下で使用する電気機器(配線器具を除く。以下同じ。) または電圧600以下で使用する蓄電池の端子に 電線(コード、キャブタイヤケーブル及びケーブルを含む。以下同じ。)をねじ止めする工事。

●電圧600V以下で使用する電力量計もしくは電流制限器またはヒューズを取り付け、または取り外す工事。

●電鈴、インターホン、火災感知器、豆電球その他これらに類する施設に使用する小型変圧器 (二次電圧が36V以下のものに限る)の二次側の配線工事。

●電線を支持する柱、腕木その他これらに類する工作物を設置し、または変更する工事。

●地中電線用の暗渠または管を設置し、または変更する工事。

以上の事項に当てはまっていれば無資格でも電気工事は可能ですが、逆にそれ以外のものについては電気工事士等の専門的な資格が必要ということになってきます。

長々と書きましたが、工事を自分で行う際はどれだけ簡単な作業であっても細心の注意を払って行うようにし、不安な点や不明な点がある場合は無理に進めず電気工事の資格を持った専門の業者などに頼むようにしましょう!怪我や事故のない安心安全なDIYライフを!