『サードマン現象』
ひょっとして、何かの拍子にチラリと小耳に挟んだ事があるかもしれません。
科学の分野では、現在判明できるような事項ではありませんが、心理学の分野では結構出現する項目らしいのです。
その分野の記事によると、「人間が、極限状態に追い詰められた時に『それ』は出現する」のだとか。
『それ』が、自分にとって「良い方向」に作用するのか否かはその人が持ちえる人格、今までに為し得て来た因果関係に寄るとの事。
果たして、『サードマン』とやらが、いるのか?いないのか?
自分の知人(数年前の研修会関係で知り合いになった男性)に、それにまつわるような不可解な体験をしたという方がおりました。
彼の体験話は、何回目かの研修会の内の座談会での話題の一つに上りました。
その方は、中学生時代にあるやんちゃな一グループから、私物を壊されたりする等のいじめに遭っていたそうです。
そういった状況ではありましたが、彼は誰彼に告げ口する事も無くえらい辛抱をしていたようでした。・・
さて、3年生の夏休み明けの事でした。
そのやんちゃないじめっ子達のうちの実行犯の一人が、突然雲隠れしたかのようにぱったりと行方不明になったそうです。
しかも、理由や痕跡、事情も明らかではないままに。忽然と姿失せたそのいじめっ子が、転校したとも何事かあってどこそこへ行ったとも、誰からの口からも聞かされないという奇妙な状況であったそうです。
教室内では、つるみ仲間もたくさんいて楽しそうに明るくふるまっていた相手だっただけに、尚一層割り切れない感じがしたとの事でした。
「そういった事って、実際のところ他にもあったりするものなんですかね?」 と。
その方は、自分が発した座談にぽつりと付け加えました。
「その子は、かき消すように?いや、まるで神隠しにでもあったかのように・・と、たとえたくもなりましたが・・」
こんこんと語る、その内容を聞いた当初自分は・・それに対して何の返事も出来なく、その他同様に、黙っていました。(その分、今でも覚えていました。)
(まあ、一昔前に流行ったかのような『学校の怪談』的なノリかな?とも思ったのですが。ちょっと、怖かったんで)
突然消息を絶った、級友。
つまり、何の脈絡もなくその級友がいなくなった。
しかも、結構仲間と賑やかにしてて派手で目立っていた人間だけに。
休み明けを境に、誰も何も追求すること間なくあたかもどうでも良いような感じで、黙々と受験シーズンに向かって取り組んでいったクラス内の空気・・。
「今さら、こういってはその子に申し訳ないんですが。ひょっとしたら何者かの存在が・・僕を助けてくれたのかもしれません。・・あの時分の僕は、本当に辛くてでもどうしようもなくて・・正直、最終段階の最悪の事まで考えを巡らせておりました。」
かくして、座談会の時間が終わって。
それぞれに、宿泊部屋にもどると、ルームメイト達は少し件の事を話題にしておりました。
「そういう事って、マジであるんかね?」
「さあ、結構内容が、濃ゆいような。」
そのあとはだいたい、宿泊部屋の中ではこんな程度で済ませて、次の話題に移りましたが。
今にして思えば、何とも不思議な話だったような。
あるいは、上記の話・・『サードマン現象』の事例の一つだったのかな?
まあ・・もし、その話が『ホラ話』なんかでなければね^^
第3人格―もしくは、『サードマン現象』についての考察