一年以上書いていなかったブログだが、今回の宝塚事件に触れ、書かずにはいられない思いがこみ上げ、ブログ再開することにした。

 

まず、お亡くなりになった有愛きいさんのご冥福を祈り、心からのRest in peace。

そして、自らの命を呈して宝塚歌劇団の腐敗を告発した勇気に敬意を表します。

また、ご両親をはじめとするご遺族のみなさまに深い哀悼の意を捧げます。

 

漫画「ガラスの仮面」で有名だが芸事の世界でのイジメ、パワハラは当たり前のこと。芸事の世界のみならず、学校や企業でも同様である。

だが、今回の出来事は単なるイジメやパワハラではなく、虐待、傷害事件だと思っている。

 

かつて、少しだけ宝塚歌劇団と関わったことがあるのだが、男役、女役問わずトップスターになった人で、イジメを受けていない人はいない。

だが、それはイジメというよりは嫉妬による嫌がらせのようなものだった。

音楽学校時代には予科生全員が本科生からのパワハラを受けていたが、理不尽な校則、規則も含めて、「そういうものだ」と受け入れ、パワハラまがいのことをした本科生はそれなりに予科生をフォローしていた。

もちろん、中には性格の悪い人もいるので好んであえて意地悪、イジメ、パワハラを

していた人たちもいるが、ごく一部の人たちであり、大半はイジメ、嫌がらせにあった人をみんなで支え、助けていた。

 

いったい、いつからなのだろうか、こんなにも生徒たちが変容したのは・・・。

かつての宝塚歌劇団において、組長やトップスターはその組を束ねる人たちであって、下級生をイジメる人たちではなかった。

繰り返すがイジメられていたのはトッブスターだ。

今回の事件は組長やトップスターたち上級生が下級生をイジメたという。

まさにパワハラである。

まして、ヘアアイロンを娘役の顔にあてるなど、イジメではなく虐待、傷害事件だ。

警察が介入して当然の事件をなかったことにしてしまう経営陣の無知無能さには

呆れるしかない。

 

経営陣の話が出たついでに話すと、歌劇団経営陣のほぼ100%が親会社阪急電鉄からの天下りか左遷(懲罰人事)によって歌劇団に来た人たちだ。

今話題の木場理事長は東大卒にも関わらず、阪急電鉄から月組のプロデューサーに移動になった人である。おそらく40代でのこの移動はどう考えても懲罰人事。

プロデューサーというと聞こえはいいが、宝塚におけるプロデューサーは肩書だけの

無職に近く、権限はほとんどない。

なお、現在は阪急電鉄の執行役員も兼務しているようだ。

すでにお亡くなりなったので書かせていただくが、某氏は阪急梅田駅の助役だった時、上司から「そろそろ制服脱がへんか?」と言われ、系列のゴルフ練習場の支配人になれると喜んでいたら、宝塚クリエィティブアーツという歌劇団の子会社の前身宝塚企画の重役にされたと苦笑いされていた。これは天下り。

いわば、阪急電鉄の吹き溜まりのようなところが宝塚歌劇団経営陣なのだ。

木場理事長、渡辺広報室長の会見を見て、今回、ご遺族が会見を決めたというのも肯ける。

 

さて次は過重労働問題。雇用関係がすこぶる曖昧なのは昔からではあるが、労働時間も同様だ。

が、かつては四組しかなく、公演場所も宝塚大劇場、バウホール、東京宝塚劇場の三か所がメインで、年に一回くらい名古屋公演、現在全国ツァーと呼ばれている地方公演、バウホール公演を東京の日本青年館で上演するくらいだった。

故に現在のように、いつも日本のどこかで必ず宝塚が上演されているという状況ではなく、生徒たちも異常なほどの過重労働ということはなかっただろう。

もちろん、人によるが、在団中から外部出演が多かった鳳蘭や大地真央でさえ、睡眠時間3時間、休みなしの日々ではなかったと思う。

死を招いた過重労働の原因は劇団側の金儲け主義にほかならない。

労働基準局の強制捜査を望む。

 

今回の件について、今後劇団側がどのような発表をして、事態を収束するのかまったくわからないが、少なくとも週刊誌に加害者として名前が載った五名だか六名は引責退団させ懲戒除名、宙組は解体し、木場理事長以下経営陣も引責辞任、もしくは懲戒解雇しなければ、ご遺族は無論、世間も納得しないのではないだろうか。

 

その後は電車屋さんではなく、宝塚歌劇団を心から愛する人に理事長職に就いてもらい、企業改革をしてもらえばよい。

実のところ、小生は宙組を見たこともないどころか、30年以上宝塚歌劇を見ていないのだが、未だヅカファンの知人によると凪七瑠海さんという異色の専科スターがいるらしい。トップスターになっていないのに、全国ツァーやバウホールで主役をこなし、男役も女役もできる二刀流で、一見傍若無人な活躍ぶりだが、どこからもクレームがないという。どんなポジションもやりこなす彼女の才能と実力もさることながら、その人柄とバックボーンによるものだろう。

「容姿、才能、技量が同等な場合、最後の優劣を決めるのは人柄である」という言葉があるが、人柄こそがリーダーの資質を決める。

例えば、その凪七さんを理事長にして、事務仕事のためにそれこそ阪急阪神ホールディングスの役員秘書室あたりから、実務能力に優れた人を副理事長にスカウトすれば、凪七さんの理事長兼出演者も可能だろう。

 

生徒を理事長にするのは宝塚歴史初めてだろうが、ここ数年、歴史始まって以来の事件ばかり起こしているのだから、110周年を迎えるために歴史上初の良いことを一つくらいしてもよいのではないだろうか。

 

脳内お花畑のファンはそこまでおもっていないだろうが、今回のことは単なるイジメやパワハラではなく、過重労働も含めて犯罪行為だ。