車にぶつかったのか、アスファルトの上で風に揺られていました。


思い出したのが学生時代。
早朝、自転車で走っていると時折
道端に事故にあった犬、猫を見かけました。
しかし、そういった死体も朝の通勤時間帯までには
大概片づけられていました。
なかには、15分前に見た死体が文字通り跡形もなく
消えていたこともありました。
その後、養老孟司さんの著作の中で
現代日本は死を社会の中から消している
といった意味のことを読んで、ああそういうことかと
納得した記憶があります。
現代では命を大事に、とよく聞きます。
しかし、死というものを排除した中で
命の重みが語られることに、ある種の疑問を
とりわけ医療の世界に身を置く方は
感じられていたのではないかと思います。


帰り道、雀はまだいました。
命の大事さを訴える言葉が氾濫する一方で
死というものが排除される社会において
本当に命の重みが理解できるのだろうかと思います。