東日本大震災の後、”今生かされていること”に感謝できるようになりました。


日常の些細なことにも幸せを感じることが増えました。


そして今日、久しぶりに谷川俊太郎さんの「生きる」という詩に再会しました。


以前読んだときも、プラネタリウムやヨハン・シュトラウスなどの語彙が印象的で谷川俊太郎らしさが漂う反面、普遍的なテーマに考えさせられ、ぐっとくるものがありましたが、読んだのはずいぶん昔ですっかり忘れていました。


私は以前から谷川俊太郎さんの詩が好きですが、震災後に改めて「生きる」を読むと、以前より深く、じんわりと胸に染み入るものがありました。


詩は難しく考えすぎるとその詩のよさが味わえないような気がします。だから、詩を読んで何かを感じたら、その「感じる」という感覚をただ素直に受け入れるだけでいいんじゃないかなーって思います。




生きる


                            谷川俊太郎


生きているということ

いま生きているということ

それはのどがかわくということ

木漏れ日がまぶしいということ

ふっと或るメロディを思い出すということ

くしゃみをすること


あなたと手をつなぐこと


生きているということ

いま生きているということ

それはミニスカート

それはプラネタリウム

それはヨハン・シュトラウス

それはピカソ

それはアルプス

すべての美しいものに出会うということ

そして

かくされた悪を注意深くこばむということ


生きているということ

いま生きているということ

泣けるということ

笑えるということ

怒れるということ

自由ということ


生きているということ

いま生きているということ


いま遠くで犬が吠えるということ

いま地球が廻っているということ

いまどこかで産声があがるということ

いまどこかで兵士が傷つくということ

いまぶらんこがゆれているということ


いまいまがすぎてゆくこと


生きているということ

いま生きているということ

鳥ははばたくということ

海はとどろくということ

かたつむりははうということ


人は愛するということ


あなたの手のぬくみ

いのちということ


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