5月21日は小満。
二十四節気の中ではかなりマイナーな存在ですが、「陽気盛万物稍満足す。万物盈満すれば草木枝葉繁る」、気候がよくなると、あらゆるものが生気に満ち、草木も生い茂る、というようなことがその意味するところ。ヴァーサイタルでポジティヴ、かつささやかな充実感に満ちているような言葉です。
 
昨日も今日も、雲ひとつないいいお天気。
さわやかで心地よい。
こんな抜けた青空といえばこのアルバムだ。
 
Little Feat / Little Feat
 
スカッと抜けたさわやかなカリフォルニアの青い空。
そんなジャケットのイメージとは裏腹に、ドロッとくたくたなブルースがいっぱいつまっているこのアルバム。
よく見ればジャケットの青空の下には浮浪者がうろついている。
リトルフィートの音楽って、どこか抜けてるっていうか、ピュアっていうか、どろどろのブルースなのにどこか清々しさがあるのですよね。理詰めじゃない。ガツガツしてない。スキマの美学というか、いろいろがら空きなのになんとなく満たされた感じというか。
あるがままという感じ、或いは、足るを知るという感じ。
求めれば求めるほど、手に入らないことが苦しくなる。今あるものを見渡してみれば、実はじゅうぶんに足りている。
ましてこんないいお天気だもの。
ついつい飲みたくなって、昼間っからビールの缶をプシュッと。
あー、気持ちいい。
 
昔の人たちにとってもこの時期は、衣食ともに不自由しない、ある意味ささやかながらも満たされた、いい季節だったのだろうな。
小さく満たされる。
この歳になってくるとそんなに大きなことは望まない。
若い頃なら、こんないいお天気の日に出掛けもせずに家で飲んでるなんて、なんてシケてるんだと思っただろうけど、今はそうは思わない、というか、そういうのがむしろ楽しい。
いいお天気の過ごしやすい穏やかな日に、昼間っから酔っぱらう、そんな穏やかな幸せ。
小さく満たされる。
なにしろこんないいお天気なんだから。