golden(以下g):「クリームってね、苦手なんだよね、なぜか。」

blue(以下b):「クリームだけやのうてな、そもそもこの時期のサイケデリック・ロック界隈とかブルース・ロック界隈っていうのが苦手やな。」

g:「ジェファーソン・エアプレインとかグレイトフル・デッドとかも、聴いてはみるんだけど何かしっくり来なくて。」

b:「嫌いではないねんけどな。苦手というかハマらんというか。」

g:「ブルース・ロックもね、マイク・ブルームフィールドとかピーター・グリーンのフリートウッド・マックとかいろいろ聴きはしたけどね。」

b:「テン・イヤーズ・アフター、キャンド・ヒート、ムーディー・ブルースとかジェスロ・タルなんかもな。」

g:「何かグッと来ないんだよね。」

b:「まぁひとことで言うとな、退屈やねん。」

g:「歴史的名盤に対して退屈って。」

b:「いや、結局そういうことやろ。聴いててもあんまりおもろない、飽きる、ちゅーのは退屈なんやで。」



g:「ジミ・ヘンドリックスの時にも言ってたけど、録音状態がイマイチっていうのはあるよね。」

b:「ドラムもベースも凄いこと演ってるんやろうけど、グワッーと迫って来おへんのがな、残念やな。」

g:「音質がもう少し良ければもうちょっと気に入るだろうか。」

b:「いやいや、いわゆる俺が大好きなタイプからしたらな、ビート感がなさすぎや。」

g:「どこかでもそんなこと言ってたっけね。」

b:「基本ドラムには、ドッスンバッタンのエイトビートで楽曲の背骨を支えてほしいねんな。ドラムがビートを刻まずに動き回ってテクニックひけらかしまくって、っていう音楽は聴いててしんどいな。」

g:「そもそも楽器によるフリー・インプロヴィゼーションみたいなのが好きじゃない。」

b:「いや、でもな。ジャズにも好きなレコードはいっぱいあるしな、フリー・インプロヴィゼーションそのものが大嫌いというわけでもないで。演ってる中身の問題や。」

g:「でも昔から、ブルース・ロックの長いギターソロとかあんまり好きじゃないよね。」



b:「なんちゅーかな、自分に酔ってる感じが嫌いやねん。このアルバムでもそこがもう嫌いでな。2枚組の1枚目でも“Sitting In The Top Of The World”とかタルいなぁと思うけどまだまし。」

g:「2枚目のライヴは確かに冗長で散漫なところがあります。」

b:「“Spoonful”とかな、16分も延々とチンタラした演奏聴かせられるし、最悪なんは“Traintime”っていうジャック・ブルースがひたすらハーモニカ吹く曲な。あんなもんレコードにするまでもないやろ。」

g:「クリームってなんとなく日本ではエリック・クラプトンのバンドっていうイメージがあるけど、そもそもはジャック・ブルースとジンジャー・ベイカーのバンドだよね。」

b:「ジンジャー・ベイカーが39年生まれ、ジャック・ブルースが43年生まれ。45年生まれのクラプトンに“お前、ギター巧いやんけ。おもちゃみたいなポップソング演ってんと、俺らと一緒に弾きまくってみーひんかー?”ちゅーて誘われたんやろ。」

g:「そもそもヤードバーズとは成り立ちが違う。」

b:「ジャック・ブルースがイキってそやねんなぁ。“ベイカーさんのドラムは凄いよ。ベイカーさんと一緒にやったら、ロックとかポップスとかとは次元の違う音が出せるねん、お前も一緒に演ろうや、エリック!”、、、みたいな。」

g:「そのジンジャー・ベイカーのドラムソロみたいなのも入ってるよね。“Toad”っていう曲。」

b:「それも16分くらいあるやろ。そもそもドラムソロなんか聴いて楽しい奴おるんか、って。」

g:「70年代のハード・ロックのアルバムなんかでもたまにドラムソロが入ってたりするけど。」

b:「俺には意味不明やな。俺の思うドラムっていう楽器が楽曲へ果たすべき役割とは違うし、いや、多分な、演ってる側のベーシストもギタリストもたいがいウザいなぁ、って思うとんで。年上のジンジャー・ベイカーの演ることやから我慢してつきおうたってるだけで。自己陶酔にも程がある。」



g:「音楽そのものよりも、自己陶酔して演奏する姿が嫌いなんだ。」

b:「そういうのはブルース・ロックに限らずやけどな。ヴィジュアル系とかフォークの弾き語りとかでもそうや。」

g:「あー、確かに。フォーク系でそういうのいるよね。」

b:「聴く側からしたら醒めるんよ。マスターベーション見せつけられても、と思うねん。」

g:「でも、そういうのをありがたがって聴く人たちもいるわけだよね、ライヴならではのエキサイティングな、みたいな。」

b:「俺には理解不能や。客置き去りで自分らだけで興奮してるんやったら延々とスタジオで演ってたらええねん。」

g:「そもそもね、ああいう音楽っていうのは、聴くものじゃなく演るものなんじゃない?」

b:「そうか、まぁそういうことやろな。」

g:「演ってる側はめっちゃ楽しいんですよ。」

b:「昔な、BAHOのライヴ観に行ったときな、石田長生がMCでゆーてたわ。“自分ら聴いてて楽しいか?俺らは演っててめっちゃ楽しいで”って。」

g:「ちょっとイラッとする発言だったね。」

b:「おもんないから帰るわー、って言いそうになったわな。」

g:「まぁまぁ、とにかくクリームっていうバンドは、その凄いテクニックと楽器のバトルを見せつけられて楽しむ、というバンドであったわけだ。」

b:「ロック史的に言うと、価値があったんやと思う。クリームがああいうこと演ってのジミ・ヘンドリックスやジミー・ペイジやリッチー・ブラックモアなんやろ。」

g:「名盤として讃えられるだけのことはある、と。」

b:「でも退屈やねん、結局。」

g:「まぁ、嫌いだったら聴かなきゃいいでしょ。」

b:「このレコードに関しては、一生聴かんでも問題ないわ。」

g:「そういう強い否定は慎みましょう。。。自分の価値観の押しつけって、それこそジンジャー・ベイカーのドラムみたい。」

b:「いやいや、その言い方、余計にひどいで。」