個人の金融資産の減少がマクロ統計の発表で
改めて浮き彫りとなりました。

日銀の統計によると、9月末時点での
家計部門の金融資産は、株価の下落が響き、
前年に比べて5.2%減の1467兆円となりました。
昭和54年度の統計開始以来、過去最大の減少率
とのことです。

そもそも日本は、加工貿易をビジネスモデルとして作り上げ
貿易黒字を将来の生活のために貯蓄という形で保有している国です。
その結果として築いてきたのが1500兆円にもなる
個人の金融資産です。

それに対して近年のアメリカは、海外から資本を引き寄せて
高レバレッジの証券化ビジネスにより、主として金融部門に
多大な資本蓄積をしてきました。濡れ手にあわと言っても
的外れではないでしょう。

今回の金融危機は、日本にとってコツコツと蓄えてきた
蓄積を、台無しにさせられた訳ですから極めて理不尽なことです。
「いい迷惑」とはこのことでしょう。

アメリカが苦境の中で、さまざまな要求を日本に対して
突きつけてくる可能性が高まっていますが、時として
「ずるく立ち振る舞い」多少日本の「エゴ」を前に出しながら、
しっかりと恩を売る外交を展開して欲しいと思います。