円高で輸出企業の苦境だけ強調されるのは
アンフェアだと思います。

輸入品の価格が低下しますので
「円高還元セール」で恩恵を受けることが
できることをもっとPRすべきです。

為替レートは国と国との通貨の交換比率ですので
その動きには、どちらに動くにしろ
個々の経済主体、つまり個人、企業、国など
に得失が生じます。

問題は、円高に振れるにしろ、円安に振れるにしろ、
抱える為替リスクに備えるということです。

例えば、家計の食費において、相当程度
輸入品に対する支出があるはずです。食料の
自給率が40%ですので60%が海外からの輸入品
なんです。

こうした食料自給率を前提とすると、為替が「円安」
になったら、もろに輸入品の価格上昇に跳ね返ります。

ここ暫らくは円高傾向が続くにしろ、長期的には「円安」リスクは
高まるでしょう。

そんな事態に備えるためにも、日本人は、ある程度の
「外貨建て資産」の保有の必要性に目覚めるべきです。

歴史を遡ると、1900年初頭に世界ナンバー1の国力を持っていた
イギリスは、当時新興国であったアメリカにその座を譲りました。

イギリスは、その後永らく世界の表舞台から退きますが、
1980年代のサッチャー政権の頃から、再び世界の
ひのき舞台に顔を出します。完全によみがえりました。

その影には、当時凋落の一途であった通貨ポンドの
他に、他国に「(ポンド以外の)外貨建て資産」を持って
いたことが功を奏したのです。先見の明です。

世界経済が混沌としていますが、こうした時期にこそ
「日本や日本人は、今後どのようにして生き抜くか」といった
課題をを真剣に考えることが必要だと思います。