このところの株価下落で、上場廃止銘柄が
出てくる可能性が高まっています。

今日は上場廃止の仕組みをみていきます。

証券取引所には、上場廃止基準があります。
同基準は、予め定めたチェック項目の中で
1項目でも未達成の項目(問題のある項目)
があると上場廃止とするルールです。

そのチェック項目は、上場株式数、売買高、
上場時価総額、債務超過、銀行取引の停止、
有価証券報告書の虚偽記載など多岐にわたり、
約20項目にも及びます。

昨今の調子で株価下落が続くと、上記項目のうちでも
「上場時価総額(株価×発行済株式数)」が
定められた基準を満たさなくなるケースに
陥りやすくなり、その銘柄数の増加が懸念されます。

具体的には、「月間平均」と「月末」の
いずれかの時価総額が一定の廃止基準
(市場第一部と市場第二部は10億円、
マザーズ等の新興市場は5億円)を
下回ると9か月の猶予期間
(その間、事業計画改善書の提出が
ないと猶予期間は3か月に短縮)に入ります。

そして、猶予期間に「月間平均」と「月末」
の両方の時価総額が廃止基準を上回らないと、
正式に上場廃止が決まります。

このような上場廃止のルールは、自由競争の中で
「優勝劣敗」原則が正常に働くことを前提と
しています。しかし、今回の世界的な同時株安は
どう見ても不可抗力です。
アメリカの証券化ビジネスの失敗が原因です。

まずは金融不安がおさまり、これ以上に株安が
進まないことを切に願うところです。
それからじっくりと、あるべき金融の姿を
皆が考えるべきなのでしょう。