日本の大手金融機関は即座に現金化できる資産が手厚く、
米サブプライム住宅ローン問題をきっかけにした信用不安などに
対する抵抗力が強いとした特集が英金融専門誌に掲載されました。

比率が低ければ緊急時の資金繰りへの対応能力が高いとされる
「預貸率」(預金残高に対する貸出残高の割合)について
世界の主要100金融機関を調査したところ、日本の銀行が優位
とのレポートです。

(レポート骨子)
①農林中央金庫が30・98%で、2位のクレディ・スイスグループ(53・97%)
を大きく引き離して首位
②三菱UFJフィナンシャル・グループ(12位)など邦銀大手3行グループも
30位以内

日本の金融機関の預貸率が低いのは、不良債権処理後の貸出先開拓が
不十分なことが大きく効いていますので、素直に喜べるような順位では
ありません。

金融機関の経営は、これまで安定性の目安とされる「自己資本比率」が
重視されてきましたが、サブプライム問題で露見した信用不安に対しては、
必要時に容易に現金化できるキャッシュリッチな状況のほうが
評価されつつあるのは本当に皮肉なものです。