証券会社が投資家の大まかな運用方針を受けて独自に運用する
ラップ口座の開設数が伸びています。主要証券4社の6月末の
契約資産残高は6500億円程度に達し、1年間で7割増えたとの
ことです。

従来、数億円だった最低預入額を1000万円程度まで引き下げた
サービスも登場し、団塊世代をはじめとする個人投資家のマネーが
流入したのが主因です。

「株の比率を上げて積極的に収益を狙う」「債券中心で安定的な
運用を目指す」などの方針を顧客と証券会社が合意し、
その方針のもとで、証券会社のプロのディーラーが
運用を担当することになります。

ラップ口座の最大の特徴は、手数料の取扱いが他の金融商品に
比べてユニークなところです。残高に応じて手数料がかかるため
投資家は売買頻度やタイミングを気にせず運用を任せられるほか、
証券会社にとっては相場変動に左右されにくい安定的な収益源となります。

支払う手数料が、収益に見合っているかはわかりませんが、
最低預入額が1,000万円まで下がるとなると、かつての富裕層向け
商品ではなくなったことは明らかです。証券会社の顧客囲い込みの
激しさの一端とみた方が良さそうです。

この秋から、金融商品取引法が完全施行となりますが、「個人」の
争奪戦が激しくなりそうです。