内閣府が28日発表した「貯蓄から投資へ」に関する世論調査によれば、
株式投資を「現在行っていないし、今後も行う予定はない」と答えた人の
割合が2005年12月の前回調査から5.6ポイント上昇して74.1%となり、
関心が低下していることが明らかになりました。

新興市場の株価低迷や、金利上昇により貯蓄に対する魅力が再び
高まっていることなどから、元本割れリスクをとるよりも、安全な預貯金を
選択する傾向が根強いことを示す結果です。

政府は1500兆円以上にのぼる個人金融資産を株式投資などに
振り向ける「貯蓄から投資へ」という方針を掲げていますが、
意に沿わず安全性を重視する日本人の国民性が浮き彫りに
なりました。

諸外国と比べると、現金・預金の比率は約50%にも及び、
先進国でみるとフランス32%、ドイツ35%、英国26%、米国13%
であるのに比べて突出して高くなっています。

「元本割れリスク」を投資信託や株式投資を行わない理由に
挙げる方が少なくありません。でも現金・預金で大事な資産を
置いておいて、インフレに勝てるのでしょうか。仮にインフレ率が
1.5%で、資産全部を0.5%の銀行預金に置いていた場合は、
元本割れと同じなのです。

このことに気付くか、気付かないかで、20年、30年先の生活は
ガラッと変わります。貯蓄から投資への流れを将来の生活防衛の
視点から再考してみる必要があると思います。