老後の生活資金を捻出する方法としてリバース・モーゲージ
と呼ぶ融資方法があります。

高齢者が持ち家を担保として融資を受け、年金のように
定期的に一定額を受け取る仕組みです。死後に持ち家を
処分して融資の返済に充てるもので、住み慣れた自宅から
引っ越すことなく、定期的に現金収入を得ることができる
金融商品です。

融資限度額は、土地の評価額で決まり、金融機関が
査定した土地の資産価格に一定の掛け目(例えば70%等)
を掛けた範囲内での融資の実行となります。

この手法は米国で1960年代に導入され世界に波及しましたが、
残念ながら日本ではバブル後の地価下落により足踏み状態
でした。

しかし地価が持ち直している中で、改めて注目を集めています。
日本総合研究所の研究レポートでは、「リバース・モーゲージが
2020年にアメリカ並みに定着した場合、市場の規模は現在の
320億円から16兆円へ、対名目GDP比率では0.02%から12.1%へ
拡大することが見込まれる。」との見通しが示されています。

年金制度の屋台骨が揺らぐなかで、リバース・モーゲージの活用は、
本格的少子高齢化社会といった閉塞感を一気に打ち破るかも
しれません。