株式市場を含む金融マーケットにおいて、「はっきりした理論的根拠を
持つわけではないが、よく当たる」とされる経験則をアノマリー現象
といいます。

日本株は4月に上昇しやすいという「4月効果」、アメリカ株は10月に
安値を付けやすく、10月に株を買うと儲けやすいという「10月効果」、
昔から日本の株式市場で言われている「節分天井、彼岸底」
(節分=2月3日、彼岸=3月20日)などが有名です。

また、80年代、90年代など10年ごとに区切ると、
10年の最初頃が安値になり、10年の終わり頃が高値になりやすい
というアノマリーも知られています。80年代の日本のバブルの
ピークは89年末、ITバブルのピークは00年初めになるなど、
このアノマリーを裏付けているといいます。

そのアノマリーに、「月曜日の株高」が加わったとの見方が
ここにきて広がっています。月曜日(月曜日が休日の場合、
その翌火曜日)の取引は年初から19回あります。これに、
カレンダーが変則的な5月1日(水曜日)と大発会の1月4日(木曜日)
を加えると、合計21回の週明け取引があったことになりますが、なんと、
そのうち日経平均が前週末に比べてプラスで終わったのが17回。
マイナスは4回しかありません。勝率にして、81%です。

なぜ、こうなるのでしょうか。どうやら、個人投資家の売買が
短期化していることが原因ではないかといわれています。
土曜日、日曜日の株式持ち越しは、海外発の暴落に遭遇する
可能性があるため、それを嫌い、週末にいったん売り、
月曜日に買い取引を再開する構図です。これが月曜日高になると
いう説です。個人投資家がディーラー化している姿が想像されます。

私は、老後の生存リスクに備えて、長期投資・分散投資の視点で
資産形成を進めていくべきであることをセミナー等で力説しています。
この月曜日説がディーラー化現象を原因とするならば、何かやるせなさを
感じます。自分の応援する企業の発展とともに、金融資産を殖やす
醍醐味を感じるような感覚を、投資行動に取り戻す必要があるように思います。