OTOHIME金魚図鑑 金魚の品種 水泡眼 | 金魚屋 Golden-Fish-Farm-OTOHIME

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ここの所、堅苦しい題材が続いたので今回次回と愛嬌たっぷり

 

な、ちょっと和める金魚をご紹介したいと思います。

 

こんかいご紹介するのは水泡眼、大きく膨れた顔が特徴の金魚で

 

す。奇妙と言えば奇妙ですし、愛嬌があると言えば、どうして君

 

はそんな顔なの?と、しみじみ訪ねたくなるような顔つきです。

 

水泡眼は、ランチュウ系統に見られる背びれがない特徴を持ち、

 

目の下部分(頬の辺り)に水泡状の袋を持ちその袋によって通常

 

横方向に付いている黒目の部分が上を向いている金魚です。その

 

愛嬌がある珍奇な姿が頂点眼と並び世界中で愛される品種になっ

 

ています。水泡眼の袋は、眼球の角膜のみが膨大したもので、袋

 

の中にはリンパ液が入っています。

 

水泡眼は、中国が清王朝の時代に出目金の突然変異により生まれ

 

た品種になります。同時期に、頂点眼も生まれている可能性が高

 

いです。水泡眼が清の時代のどの時期にどのような場所で生まれ

 

たのかという詳細は現時点ではあまり分かっていません。水泡眼

 

は、宮廷などの上の身分の方(支配層)に長い間愛されていた為

 

に門外不出として一般に知られていませんでした。その後、新体

 

制(王朝廷)の制度になった後に一般的に広く知られるようにな

 

ったために生まれた状況など謎の部分が多くなっています。日本

 

には1958年(昭和33年)ごろに初めて知られるようになりまし

 

た。日本に入ってきたばかりの頃に哈蟆頭魚(ハマ・トウ・ユウ

 

イ)フロッグヘッドと呼ばれる金魚にそっくりであったので、日

 

本ではハマトウと呼ばれていました。

 

哈蟆頭魚は、水泡眼よりも袋が少し小さく肉瘤があるのが特徴の

 

金魚です。

 

水泡眼の楽しみ方は、目の下部分についている特徴的な袋です。

 

それを楽しむのであれば、水槽などで横から観賞する方法(横

 

見)より鉢などに入れて上から見る方法(上見)のほうがオスス

 

メです。上見で鑑賞することで、左右についた袋のバランスや泳

 

いでいる最中に揺れる袋を持った水泡眼の姿がなんとも言えない

 

気分にさせてくれます。他の金魚では見ることができない独特の

 

見た目と泳ぎ姿を最大限楽しむことができます。また、袋により

 

上を向いてしまった黒目も上見で鑑賞することで目があっている

 

感覚を味わうことができます。横見で鑑賞すると、上見と違い水

 

泡眼の正面からの姿を見ることができ左右に袋がある可愛らしい

 

姿を楽しむことができます。

 

水泡眼は、眼球の角膜が膨大した袋を持っていますが、些細なこ

 

とで袋が破れる可能性があります。袋が破れても小さいキズなど

 

であれば自己修復してまた膨らんできます。しかしもとの大きさ

 

に戻る可能性は極めて少ないです。ほとんどの場合は、もとの大

 

きさよりも小さくなってしまいます。それにより、左右のバラン

 

スが悪くなり見た目の評価が落ちる可能性があります。また何回

 

も破れている場合やできた傷が大きい場合には、修復ができずに

 

萎んだ状態になってしまう可能性があります。そうなると、水泡

 

眼の最大の特徴である袋を失ってしまうことになります。それを

 

防ぐためにも、水泡眼が入っている水槽(鉢など)には角がかく

 

ばっている置物や、鋭利な部分を持ったものなどを極力入れない

 

ようにすること、そして最も気をつけるべきは水換えの際などに

 

バケツや桶などに水泡眼を移動させるときです。移動させる際

 

に、網などを使う方が多いですが網が水泡眼の袋を巻き込んでし

 

まって知らないうち袋が破けてしまう場合が非常に多いので、水

 

泡眼を移す際には細心の注意を払ってもらうようにしてくださ

 

い。ただ、水泡眼の袋が破けたからすぐに死んでしまうというこ

 

とはなく、あくまでも水泡眼の最大の特徴が無くなってしまうと

 

いうことなので安心してください。