OTOHIME金魚図鑑 金魚の品種 秋錦(シュウキン) | 金魚屋 Golden-Fish-Farm-OTOHIME

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蘭鋳(ランチュウ)派生シリーズ第4回

 

今回はその交配の歴史は明治中期から行われ苦心の末に固定化し

 

たのだが、戦争という社会事情に翻弄され一度は絶滅の憂き目を

 

見た品種、秋錦のご紹介です。冒頭で述べた事情などから現在で

 

も個体の流通数が少ない希少な金魚です。

 

秋錦は、1892年(明治25年)に初代秋山吉五郎氏がランチュウ

 

とオランダシシガシラの交配によって、背びれがないオランダシ

 

シガシラを作出に着手し始めたのが最初になります。その後、10

 

年の期間をかけて1900年(明治33年)に新品種として発表され

 

たのが秋錦になります。命名したのは、松原新之助氏で秋山吉五

 

郎氏の一字をもらい、秋錦と命名したと言われています。それか

 

ら時が経って、第二次世界大戦の戦火と混乱により絶滅したと言

 

われました。その後、三代目秋山吉五郎氏と秋山彌三氏が復元に

 

取り組み秋錦に非常に近い姿を持つ個体ができました。大阪府川

 

西市の広岡義雄氏は、1956年から22年という長い月日をかけ、

 

この秋錦の復元に尽力されてきて、松井佳一博士の著書である

 

「カラーブックス 金魚」に掲載されています。その後も系統維

 

持に尽力されました。その後には、愛知県宝飯郡の向坂武義氏も

 

独自の秋錦を作ることに尽力されました。現在、流通する秋錦の

 

ほとんどは、愛知県弥富市の深見養魚場産のものになります。深

 

見光春氏と深見泰範氏によって系統の維持がなされています。

 

秋錦の楽しみ方は、ランチュウ系統の特徴である背びれのない部

 

分とオランダシシガシラの美しい尾びれと頭の上の肉瘤のバラン

 

スのよさです。それらを楽しむのであれば、水槽などで横から観

 

賞する方法(横見)のほうがオススメです。横見で鑑賞すること

 

で、しっかりと成長した肉瘤がある頭から背びれがない背中そし

 

て美しい尾びれまでを、個体ごとの特徴を捉えながら楽しむこと

 

ができます。また、更紗などの体色もそれに加えて楽しむことで

 

きます。上見で鑑賞すると、横見ではあまりわからない左右のバ

 

ランスなどを観察できますので、横見で楽しんだ方は違う角度で

 

楽しんでみるのもオススメです。

 

秋錦は、飼い方などはオランダシシガシラなどとあまり変わらな

 

いのですが、飼育している方などがメジャーな品種に比べるとや

 

はり少ないのが現実です。なので、興味がある方などは自分で飼

 

育方法などを模索していく必要があります。そして、秋錦は流通

 

量も非常に少なく一部の専門店などでしか取り扱っていない場合

 

がほとんどなので入荷するのかどうなのかを店員さんなどに聞い

 

てみることをオススメします。そして、秋錦の最大の面白さはま

 

だ完成形ではないということです。もともと秋錦は、背びれがな

 

いオランダシシガシラとして生み出されたのですが、紆余曲折な

 

歴史のせいなどもありまだ完成形にたどり着いていないと言われ

 

いるので、挑戦してみたい方や興味がある方はぜひ飼育してみて

 

ください。