【講座】知的障害児知的障害者の心理的援助(放送大学) | ちび姫☆成長日記~痙性麻痺と軽度知的障害

ちび姫☆成長日記~痙性麻痺と軽度知的障害

2012年生まれ・周産期の頭蓋内出血による痙性麻痺・軽度知的障害あり。そんなちび姫の成長&療育日記。
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知的障害児知的障害者の心理的援助
 
放送大学大学院講座、障害児障害者の心理学特論第6回より、自分に必要のある部分だけ抜粋
 
臨床心理士さんのための(心理士さんを目指す人のため?)講座なので、知的障害を持つひとの家族に役立つかな、という部分以外は省きました
 
 
 
1、知的障害のある人に必要な援助の全体像
 
AAMR2002マニュアル
 
支援:支援はひとの発達、教育、興味およびその人の幸福を促進することを目的とする、個人の機能を増強する資源および方策である
 
個人の機能とは:支援と知的能力、適応行動、参加、対人関係、社会的役割、健康状態および状況の次元との相互作用の結果として生じる
 
個人の機能=個人の知的能力、ではない
 
支援の資源
 自然な支援=家庭や日常生活上の関係者によって生活の中で自然に行われているもの
 サービスに基づく支援=専門家や援助機関によって提供されるもの (サービスも支援のひとつの形とされた)
 
知的障害のある人に対して支援を行う目的
 その人の自立、対人関係、社会への貢献、学校や地域社会への参加、および個人的な幸福を増幅すること
 
※支援は個人の能力と環境側から要求されるものとの不一致を減少するために使われる。
 単に個人の能力の足りないところを補うために使われるのではない
 
不一致=人間発達や仕事といった九つの支援領域について評価されその支援領域のそれぞれで支援ニーズの強度が決定される
 
 
2、臨床心理の専門家に求められる援助
 
医療、教育、福祉、保健、大学研究所、司法矯正、
 
3、心理アセスメント
 
面接、行動観察、生活記録、心理検査、医学的検査の統合により行われる
 
能力特徴可能性を理解する
 
知的機能と適応行動に関する検査
 
知的機能。知的能力の検査
知能=学習する能力、抽象的創造的思考の能力、新しい環境への適応能力
 全般的精神能力。推論、計画、問題解決、抽象的思考、複雑な考えを理解すること、速やかに学習すること、経験から学ぶこと
 平均から約2標準偏差より低い
 
田中ビネー:何歳水準まで通過できたか
 
ウェクスラー式:3種類 個人間だけでなく個人内
全検査IQ=FSIQ 
言語理解指標=VCT
知覚推理指標=PRI
ワーキングメモリー指標=WMI
処理速度指標=PSI
 
 
適応行動の検査
適応行動は日常生活において機能するために人々が学習した概念的社会的および実用的スキルの集合
新版SM社会生活能力検査(1~13歳)
身辺自立:衣服の着脱、食事、排泄などの身辺自立に関する能力
移動:自分の行きたいところへ移動するための能力
作業:道具の扱いなどの作業遂行に関する能力
意思交換(コミュニケーション):ことばや文字などによるコミュニケーション能力
集団参加:社会生活への参加の具合を示す能力
自己統制:わがままを抑え、自己の行動を責任を持って目的に方向付ける能力
どの年齢水準に匹敵するか
社会生活年齢(SA)社会生活指数(SQ)
 
 
発達検査
重度の人の場合これで代用することもある
 
ことばに関する検査
 
4、相談
 
知的障害がある人の心理特性と援助の基本
注意、感覚、知覚、記憶、抽象的な思考推論の発達に遅れや偏りがあり、複雑な考えを理解すること、計画を立てて問題を解決すること、即時に適切な判断をすることに困難さがある
学習上の特性として、ものごとを学習するのに時間がかかる、学習によって得た知識や技能が断片的になりやすく実際の生活の場で応用されにくい
またことばの発達も遅れコミュニケーション能力に乏しく相手の考えや気持ちを理解したり、自分の心情や考えを適切に伝えることが不得手
特異的なパーソナリティーはない
失敗経験の多いことで不安傾向が高まったり自分に自信が持てなくなって自尊心や学習意欲が低下してしまう可能性がある
知的障害の程度が重い人には運動能力の発達にも遅れが見られ一つ一つの動きがゆっくり、微細な運動が年齢相応にできないことが多い
 
援助の基本
本人の興味や関心を考慮に入れその実態に合った活動をスモールステップで繰り返しゆっくりと進めていく
本人の意欲やできることを大切にし、必要以上の援助をしない
活動内容は抽象的なものよりも実際的で具体的なものが望ましい
ことばの理解の難しさを補う:カードや具体物を活用、手がかりや補助を取り入れる
成功体験を多くすることで本人の達成感、成就感、有能感を高めることができるように工夫する
有意義語の表出がほとんどない人の場合、その場の状況や本人の動きや行動を読み取りながらまずコミュニケーションの基礎を築いていくことが必須
 
知的障害がある人のための心理療法と発達援助法
ことばを用いない療法には遊戯療法、箱庭療法、音楽療法、臨床動作法、行動療法など
ムーブメント教育
 
問題行動、不適切行動
高度行動障害(福祉の立場から)
コミュニケーション能力や社会性の乏しさによる、言語の代わり
としての問題行動
精神の安定を図ろうとしている
①適切なコミュニケーション手段を促す活動、ジェスチャー、カードなど代替
同じような感覚刺激をもたらす遊びなど
ほかの行動に置き換えるだけでなく社会的に是認される適切な行動を身につける
②適切な環境の構築
③健康管理
体調が悪いために起こしている可能性
 
先行事象の除去
心身の自己制御能力
薬物療法