1611年に創業したNablusという石鹸会社は
現在パレスチナに残る最後の2つの石鹸工場のひとつ。
世界に向けて販売する会社としてはパレスチナで唯一の工場で
この工場が閉鎖されることは、
事実上、パレスチナの石鹸作りの歴史が途絶えることになります。
ちなみにこの石鹸工場はガザではなく、
比較的穏やかだったはずのガザの反対側、
ヨルダン川西岸地区にありますが、
今年の4月末くらいから既に戦火に巻き込まれています。
日本では最近、報道がなくなりましたが、
今ではガザだけではなく、パレスチナ全体に戦火が広がってる。
ヨルダン川西岸地区でも今では毎日銃声が鳴り響き、
毎日、一般市民が犠牲になっているそうです。
去年紛争が始まってからヨルダン川西岸地区でも
既に110人以上の子どもが亡くなっています。
(←ちょっと前の数字なので、たぶんもっと増えています)
衣食住に、移動も制限され、石鹸の原料も取れず(今年のオリーブは全滅)、
親類の子供が犠牲になり、これからのことはまったくわからない
と嘆くこの石鹸会社の話を聞いたので、少しでも支援になればと思って、
日本の代理店を通じて、石鹸を取り寄せました。
この工場の創業は1611年ですが、Nablus地区の石鹸製造の歴史はもっと古く、
10世紀ごろからこの地で作られてきたそう。
でも度重なる戦火や政治的な緊張で、
数十件あった工場が今ではたった2軒しか残っていないとのこと。
そしてその最後の2軒も今や戦果に巻き込まれて、
石鹸製造どころではなくなっており、
そうなると特産品とその技術も失われることになる。
古くは地中海世界を席巻し、エリザベス1世まで虜にしたパレスチナの石鹸。
パレスチナの石鹸一族によって守り伝えられてきた特別な製法。
それまでも。
伝統文化好きな私としてはとっても気がかりなことです。
ちなみにこの石鹸はオーガニック認証されていますので、
原料のオリーブもオーガニックなはず。その畑も。大地も。
戦争はそんなものまで奪ってしまう。
折角、オーガニックで大切に作っていた土地(畑)が、
戦争で使われる爆弾等の化学物質で汚染される。
その土地を蘇らせるにはきっと何年もかかる。
さらに現在はパレスチナ製品を国際輸送することが
かなり難しくなってしまっており、
この石鹸もやっとの思いで我が家にやってきてくれました。
パレスチナからの製品の輸送は全てイスラエルを経由して行われるそうです。
輸送を行う会社はイスラエルに拠点を置いています。
でもこの輸送会社の人が現在、パレスチナ側に入ることができず、
パレスチナからイスラエルへ越境し、製品を輸送会社まで届ける必要があるのですが、
パレスチナ人は今、イスラエルに入れない(-_-;)
という様々な困難を超えて、奇跡的にやってきてくれた石鹸。
私にできることって何だろう?と改めて考えさせられた一件でした。
パレスチナの人たちのこと、イスラエルの人たちのこと、
そして世界の平和に思いを馳せつつ、大切に使いたいと思います。
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富士山とレムリアと縄文についてお話させて頂きました。
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(2022年1月号)