【この記事の目次】

1. 『金』ってそもそもなんだ?

2. 金CFDとは?〜様々な金の取引商品〜
 ①金先物取引
 ②金CFD取引
 ③金ETF取引
 ④金地金・現物取引
 金の価格はどうやって決まるの?

3. 金の需要について〜誰が金を買っている?〜
 『有事の金』金の需要の23%は投資目的!

おわりに

 

 

こんにちは!金太郎です(`・ω・´)ゝ

この記事では、僕が専門とする『金取引』そして『金相場の特徴』についてお伝えしていきます。

 

 

金に関する一般的な情報は、参考書やその他のサイトに譲るとして、ここでは僕が実際の相場から肌で感じた金相場の様子をお伝えしたいと考えています。

金取引は、まだ資金が少なく様々なポートフォリオを組めない人や、少ない時間で投資で成果を上げたい人などにはぴったりな投資先だと思います。

 

 

このブログの趣旨でもある、『少資金・少時間でも賢く投資でお金を増やすために』、金の特徴について触れていきましょう。

 

 

1. 『金』ってそもそもなんだ?

 

『金』は、言ってしまえばただの金属です。

でも、あなたも僕もそして世界中の人も、金を見るとそれが“貴重なもの” "高価なもの”だと認識しています。

ただの金属なのに…(笑)

 

 

こうした『金=貴重』『金=高価』というイメージは、昨日今日始まったわけではなく、人間が文明を築き始めた非常に古い時代からずっと続いてきたものです。

DNAレベルで金のイメージを刷り込まれていると言っても過言ではないぐらい、金は人間にとって密接な関係を持つ金属なのです。

 

 

金に関する最も古い記録は、紀元前6,000年頃に興ったシュメール文明にまで遡ります。

シュメール文明は最古の文明として知られ、その文明を築いたシュメール人は、現代にも通じる数々の発明や発見を残したことで知られています。

詳しくは下記の動画をご覧になってみてください。

 

 

そんな数々の発見を行なってきたシュメール人は、『高度な加工技術によって金の装飾品を造っていた』という記録が残っています。

すでに“金=宝飾品”という概念がこの時代に存在していたことを窺わせますね。

 

 

シュメール文明から時代は進み、トラキア文明、古代エジプト文明など、時代や場所は違えど金は高価や貴重といったイメージを示す存在として、人々の生活に深く関わっていきました。

 

 

しかし、なぜ金は人々に貴重な存在として受け入れられるようになったのでしょうか?

 

 

■なぜ金は貴重だと考えられたのか?
①見た目が美しかったから
 →もう見たまんま「綺麗だな〜」と思わせる魅力が金にあったからだと考えられています。

②加工がしやすかったから
 →金は不純物無く採取することが可能であることや、融点も低いため加工がしやすく扱いやすかったのです。

③腐食しなかったから
 →金はその他多くの金属のように錆びたりもせず、数千年安定して保管が利く金属なのです。

④世界中で採掘されたから
 →世界中で金が採掘されることで、金に対して異なった土地の人々と同じ価値観を共有することが出来たのです。

 

 

上記に挙げた4つの項目は、私たちの祖先が金を重宝した大きな理由です。

人間は、金に対してこうした共通イメージを持つことが出来たため、金を『価値の交換材』として発展させることが出来たのです。

 

 

これが『お金の始まり』です。

僕たちが手にするお札も、元を辿ればその価値を担保している存在は金なのです。

 

 

このあたりのお話は面白いのですが長くなるため、今後の記事で詳しく解説していきます。

 

 

2. 金CFDとは?〜様々な金の取引商品〜

『金取引』と一口に言っても、その取引方法には様々な種類があります。

 

 

僕自身は、『金CFD』という取引によって、『金と米ドル(XAUUSD)』を売買しています。

ここでは、金を取引するための様々な種類について理解していきましょう。

 

 

■金取引の種類と方法
①金先物取引

②金CFD取引

③金ETF取引

④金地金・現物取引

 

 

金の取引には、大きく分けて4つの種類と方法が存在します。

一つずつ詳しく見ていきましょう。

 

 

①金先物取引

そもそも先物取引とは、ある商品(原資産)を将来の決められた期日(限月)に、取引時点での価格で売買することを約束する取引のことを言います。
取引できる商品は数多く、金や原油や小麦といった商品・株式・債券・指数・金利など、幅広い商品を取引することが出来ます。

 

 

この取引のイメージとして、例えば小麦をひと月後に購入するために先物取引を行ったとしましょう。

ひと月後の価格が600ドルでも400ドルになっていたとしても、今の取引時点で500ドルで購入することを約束しておくイメージです。

 

 

金や原油や小麦といった商品は、指数や金利などの概念とは異なり、現物の受け渡しによって決済することが可能です。

現物を受け取って決済することを「現受け」と言い、 現物を渡して決済することを「現渡し」と言います。

 

 

②金CFD取引

CFD取引は、先物取引とは異なり、『現物の受け渡しの必要が無い』『限月を決める必要が無い』といった特徴を持ちます。
「金を取引するぞー!」ってことで、先物取引で金を購入したはいいけれど、それが大量に家に届いたら困りますよね?(笑)
 
 
●引用:カリン / カリわんズさんのXの投稿
 
 

CFD取引は、現物の授受を必要とせず、商品を購入した時点での価格が売却した時点での価格を上回れば利益を受け取れる、反対に商品を購入した時点での価格が売却した時点での価格を上回れば利益を払う、といった『売買で発生した損益だけを受け渡す取引』のことを言います。

 

▶︎CFD取引のイメージ図

 

 

また、限月が存在しないため、途中で取引が強制決済されてしまうこともありません。

 

 

CFDとは、Contract For Difference 差金決済』の頭文字です。

売買によって生じる損益差額を受け渡すという意味の単語なのです。

 

 

③金ETF取引

ETFとは投資信託(投資家から資金を集め資産運用の専門家が代わりに投資・運用を行うこと)の一種ですが、証券会社を通じて取引所で売買を行うことが出来る取引方法のことを言い、日本語では『上場投資信託』と呼ばれるものです。
 
 
ETFと投資信託って何が違うのか、いまいち上手い説明をしている人を見たことがないのですが、僕が考える最も大きな違いは、『発注と決済』です。
 
 
投資信託では、1日1回算出される『基準価額』というレートを基にしか注文時点の価格を知ることが出来ませんが、ETFの場合では、証券会社の取引時間内であればエントリーとイグジットを自分のタイミングで取る判断することが出来ます。
 
 
投資のプロが運用を担ってくれるなんて最高!と思われるかもしれませんが、ETFでも投資信託でも『手数料』がバカになりません。
ですが、やっぱり投資を自分で学ぶことが難しいよ〜と考える人は、手数料を勘案しこうした取引を検討しても良いでしょう。
 
 

④金地金・現物取引

金を現物で保有する取引方法です。
金を現物購入する場合は、主に日本金地金流通協会に登録された店舗での『店頭購入』です。
 
 
金のその他の取引方法と比べて、『手数料が割高(5〜20gで約4,400円)』ではありますが、限月を気にすることなく現物を長期保有することが出来る点は魅力の一つかもしれません。
 
 
 

金の価格はどうやって決まるの?

金のいずれの取引に対しても、基準となる価格は『ロコ・ロンドン・スポット市場』で決まります。
 
 
『ロンドン貴金属市場協会(LBMA)』が、ロンドン時間の午前と午後に、金の取引価格を決定します。
このロコ・ロンドン・スポット市場での金の値決めは、『ロンドンフィキシング』と呼ばれています。
 
 
金の価格は、1トロイオンス(31.1034768g)あたりの価格が、『米ドル建て』によって決まります。
世界の基軸通貨である米ドルで、代表的な金属価格が決まるため、その他の通貨つまりFXにおいても非常に大きな影響を与えます。
 
 
一応、市場の“お約束”として、ロンドンフィキシング前後でFXを始めとする投資商品のボラティリティ(値動き)が高まるのですが、実際の金価格は、先物のメッカでも『シカゴ・マーカンタイル取引所 CME』で決まった価格をただなぞるだけに終始しているようで、現在金取引自体は形骸化しています。
 
 
 
いかがでしたか?
自分に合った取引方法は見つかりましたか?
 
 
このブログは、『金CFDの裁量取引』について情報を発信するものではありますが、この次に説明する金の需要を見れば分かるとおり、金は安定的な資産価値を持っています。
 
 
自分には裁量取引は難しいと感じる人も、金取引は様々な方法がありますので、興味が出た方は自分なりの投資方法を深掘りしてみるといいかもしれません。
 

 

3. 金の需要について〜誰が金を買っている?〜

 

金も、この世界のあらゆる物質と同じように、その価値は『需要と供給』によって成り立っています。

 

 

金がいくら貴重なものだと言っても、欲しい人が少なければ価値は高まりませんし、反対に欲しい人が多ければ価値は自然と高まっていきます。

ここで、金が『どのような目的で』『どのような人に買われているか』を整理してみましょう。

 

 

●引用:外為どっとコム『金CFD(ゴールド)の特長と投資のコツ』

 

 

上の図は、金の需要をグラフ化したものですが、金の需要は大きく分けて『宝石加工』『産業』『投資』『公的機関』に分けられます。

ここでは、このブログのテーマに直接関係する『投資需要』について詳しく掘り下げていきます。

 

 

『有事の金』金の需要の23%は投資目的!

金は、世界中でその希少価値観が共有され、お金という概念の基礎を作りました。
そうした歴史の中で、金は『安定資産』としての地位を築くことになります。
 
 
安定・安全であるということは、投資家にとって『何かが起こった時(有事)のヘッジ(回避)資産』の役割を担います。
つまり、何かがあった時にひとまず「金に投資先を移しておけば安心!」と考えられているということなのです。
 
 

特に昨今では、“ロシアのウクライナ侵攻” "中国経済の行き詰まり" など、先行きの不透明な現況により、投資家の金への需要が高まっています。

 

 

▶︎金/米ドルの4時間足チャート

 

 

金/米ドルは、2024年5月1日から3週間も経たずに安値圏での揉み合いから、2024年5月20日史上最高値を更新しました。

 

 

こうした歴史的な金需要の背景には、

 

『ロシアのウクライナ侵攻からくる地政学リスク』

『中国の恒大集団の破産からくる金融リスク』

『中国の産業規制を伴う共同富裕政策への転換リスク』

『中国中央銀行の金の現物買い入れ需要』

『インド総選挙を理由にした金の現物需要』

 

おおよそ、これらのリスクや需要によって短期間での史上最高値が達成されたと考えられています。

 

 

このように、金は非常に安定した価値イメージから、ヘッジ資産として非常に優秀な投資先だと考えられています。

ひと昔前までは、有事の円とまで言われた『日本円』が、リスクヘッジに強い投資先だと考えられていましたが、打開策の見えない金融政策から投資家に見放され始めたことで、昨今の有事にはスイスフランやむしろ米ドルに資産が移される傾向にあります。

 

 

金は、そんな中スイスフランや米ドル以上に有事に安定したイメージを持ち、なおかつ流動性(市場参加者が多く売り買いが盛んなこと)が高いことから、世界経済が不安定な現在において魅力のある投資先の一つとなっているのです。

 

 

おわりに

いかがでしたでしょうか?

『金』に関して、その歴史から投資方法までをざっくりとご説明いたしました。

 

 

次回は、実際『金への投資』を行うにあたり、値動きの特徴や注意点などを解説していきたいと思います(`・ω・´)ゝ