バブル崩壊、今度こそ「狼」は来た! 【石平のチャイナウォッチ】 | My Flame

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■ バブル崩壊、今度こそ「狼」は来た!
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中国では昨年末から、不動産バブルの崩壊を危ぶむ声が聞こえてきている。

例えば12月21日、北京中坤投資集団会長で全国工商連合会不動産商会副会長の黄怒波氏は、北京市内で開かれたフォーラムの席で、スペインにおける不動産バブル崩壊を引き合いに出し「スペインの現在は中国の明日、中国で次に倒れるのは不動産業だ」と喝破した。

1週間後、同じ全国工商連合会不動産商会の常任理事を務める経済評論家、朱大鳴氏の論文が多くのメディアに転載された。
その中で同氏は「不動産バブルはいったん破裂したら取り返しのつかないこととなる」と述べ、今後数年は「このような事態の到来に備えるべきだ」と提言した。

中国の不動産業の中枢に身をおく2人が口をそろえて「バブル崩壊」を警告しているのだから、事態の深刻さは推して知るべきであろう。
実際、昨年後半から不動産バブルの崩壊はすでに目の前の現実となりつつある。

昨年10月30日、国内各メディアはいっせいに、国務院発展研究センター・李偉主任が行った、「地方の中小都市では不動産バブルの破裂がすでに始まっている」との爆弾発言を報じた。
中央政府直属シンクタンクのトップが「バブルの破裂」を公言するのは前代未聞の事態である。
これによってバブル崩壊が、すでに隠せない事実であることがよく分かった。

「地方中小都市」の中で著しい経済成長で知られる浙江省温州市では、不動産平均価格が昨年末までに、最盛期の半分以下に落ちていることが報道されている。

「鬼城(ゴーストタウン)」の乱造で有名な常州市、貴陽市、大同市なども「第2、第3の温州」となると予測されている。
そして、地方都市の不動産価格の暴落はいずれ大都市に波及してくる。
12月24日付証券日報の掲載記事は、11月末以来、北京市内の中古不動産の平均価格が急速に下落していると報じている。
それは都市部にも危険が迫ってきていることの信号であろう。

新年早々、中国の各メディアがいっせいに取り上げたのは、香港屈指の財閥の李嘉誠氏率いる長江実業集団が南京市内で所有していた国際金融センタービルを売却した話である。

実は昨年1年間、長江実業集団は中国国内で持つ不動産物件を次から次へと売りさばき、126億人民元(約2200億円)を回収して中国大陸からの事業の撤退を急いでいる。

かつて香港財閥の中では率先して中国に投資し、未来を見る目の確かさで知られた李嘉誠氏の行動は当然、迫ってくる危険を察知した上での決断だと理解されている。

冒頭の黄怒波氏や朱大鳴氏の警告のように不動産バブルの崩壊は避けられない必至の趨勢(すうせい)なのであろう。

こうなった最大の理由は、地方債務や「影の銀行」などの大問題を抱えて金融不安の拡大が危惧されている中で、中国の金融システムが保身のためにリスクの高い不動産関係融資から手を引いたことにあろう。

国内の各商業銀行が住宅ローンへの融資停止に踏み切ったのは昨年9月以降のことだが、10月末には早くも「地方中小都市でバブルの破裂が始まっている」という前述の李偉主任の爆弾発言が出た。
金融引き締めの効果は一目瞭然である。

もちろん今年2014年は、地方負債の問題がさら深刻化してきている中で、金融の安全を第一義に考える中国政府は不動産業に対する金融引き締めを継続していくしかない。
そうすると不動産はますます売れなくなり、価格のさらなる下落は避けられない。
バブル破裂の動きはいっそう加速化するであろう。

どうやら今度こそ、長年恐れられてきた、バブル崩壊という名の「狼」は本当にやってくるのである。

( 石 平 )

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