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┃日本の情報・戦略を考えるアメリカ通信 ┃ http://www.realist.jp
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├ 2013年12月27日 世界と対峙する前に自らの「世界観」を創る。
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和田です。
ネット上で何かと話題になることの多い
池田信夫氏の「アベノミクスの幻想 日本経済に魔法の杖はない」
という本を読んでみたのですが、
その中に以下のようなデータが紹介されておりました。
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質問:自分の価値観と会社の価値観が同じか?
解答:はい。日本 19.3% アメリカ41.5%
質問:今働いている状況が入社時にわかっていたら、いまの会社に入ったか?
解答:はい。日本 23% アメリカ 69%
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「自らの価値観」と「会社の価値観」
の間にギャップがあるのが日本で、
その逆なのが、アメリカ というところでしょうか。
日本の労働市場においては、
労働者に対して、雇用する側がその「会社の世界観」を
十分に伝え、説明することが出来ていないのか?
それとも、労働者の側が、説明されているにもかかわらず、
「会社の世界観」を理解できていないのか?
「そもそも」のお話をあえて言ってしまえば、
労働者一人一人の中に、「自分の世界観」
といったものがないままに、日々働き続けているのではないか?
などと、少し「上から目線」で語ってしまいましたが、
実は、かのピーター・ドラッカーも
「最初に入る会社はくじ引きみたいなもんだ」と言っています。
これって、ドラッカー先生に指摘されるまでもなく、当たり前ですよね。
社会に出たばかりの時期、働き始めの頃なんて、
実質的な体験・経験がほとんどないわけですから、
本当に「自分のやりたいこと」など、わかるはずがありません。
仮に「やりたいこと」があったとしても、
それを会社がやらせてくれるかどうかは、
何の実績もない新人に、そんなことやらせてくれる
寛大で奇特な組織などそうそうありません。
基本的には、会社の都合で決まるものです。
そうした状況の中で働きながら、
「自分のやりたい事は何なのか?」ということを
徐々に少しずつ自覚してゆくものなのではないでしょうか。
仕事や家族や友人などとの関係・交流を経て、
自らの「世界観」をじっくりと構築していくものだと思います。
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冒頭でご紹介したデータでは日米が比較されておりますが、
アメリカの労働市場では転職が「当たり前」なので、
その都度、この自分と会社との「世界観」を摺り合わせる機会が多くあり、
当然、意識や認識が高まる結果となっているのでしょう。
以前、大前研一氏が
失業率が8~10%程度(現在米国は6.5%)で高かめであったほうが、
優秀な人材の流動性が高まり、結果として、
社会的には適材適所が実現する。
というような主旨のことを言っていました。
おそらく、人生で3回くらい仕事を変えるのが当たり前
といった社会のことを想定しているだと思います。
成長している会社であれば、採用意欲自体はあるものの、
優秀でやる気のある人間が、自由に求職活動が出来るような
人材マーケットが整備されないと、現実問題として、
なかなか転職は出来ません。
いわゆる「日本型終身雇用」の仕組みの上では、
失業率は低いほうがいいかもしれませんが、
働いている人自身が、やり甲斐や幸福感を感じるのは、
アンケートの通り難しいと思われます。
市場で容赦なく淘汰され、それに伴って、
解雇されることも日常茶飯事の(アメリカ型の)労働市場では、
その分、優秀な人材を、機動的に将来有望な分野に
集中することも可能となります。
その結果、成長企業が続々と現れ、
引いては、それが国家としての繁栄にも繋がっている。
成長している企業は、それまで市場を牛耳っていた
大企業に対抗する必要上、優秀な人材に対して、
より多くの給料を始めとする、インセンティブを与えて人材を確保します。
そして、働く側も、会社のミッションや成長度や安全性や
ブランド性や給与を天秤に掛けて、シビアに会社のことを判断します。
アメリカという国を一概に礼賛するわけではありませんが、
あの国が行なっていることを、冷静に観察してみると、
私達日本人が学ぶべきことはまだまだたくさんあると思います。
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現状、日本では転職の結果、
待遇が下がる可能性が高いため、
「職を変える」ということに対するインセンティブがありません。
このような硬直した労働市場の状況では、
自分と会社の「世界観」にズレがあっても、
これを改善することは容易ではありません。
失業しないだけマシと考えて
自分の「世界観」とは相容れないような人生を我慢して生きるか。
競争が厳しいとは言え、自らの望む人生を自らで切り拓いてゆくような、
いわゆるアメリカ型の社会を目指すのか。
今後、「アベノミクス」が上手くゆくか否かは、
「三本目の矢」の部分の政策次第ですが、
それは私達一人一人がどうのような認識と覚悟をするのか?
ということでもあります。
TPPへの交渉は進んでいます。
これからは、日本は更なるグローバリズムに、
否が応でも巻き込まれ、そっくりそのままではないにせよ、
恐らくアメリカ型の人材流通社会になると予想されます。
いずれにせよ、私達はもう腹を据えて事に当たるしかありません。
自分の「世界観」を持って社会と相対する時代になりました。
自分の「世界観」を創る。そして、それを実現させる。
このことを、奥山さんと一緒に長い間、議論を重ねて来ました。
その結晶としてまとめたものが「戦略の階層CD」です。
http://www.realist.jp/strata.html
今年も年の瀬が迫ってきました。
これからの人生戦略を構築する上で、
この「戦略の階層」という考え方をぜひ身に付けて頂きたい、
と思います。
( 和田 )
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~戦略を語れない人生は奴隷だ~
▼「戦略の階層」を徹底解説するCD▼
http://www.realist.jp/strata.html
ますます厳しくなるこの時代状況で、
巷には「使える」(と言われている)
情報が溢れかえっています。
多くの人は、すぐに成果が出るような、
言うなれば、安直な「サルでも出来る...」といった話に
思わず飛びついてしまいたくなりますが、
先行きが不透明なこんな時代こそ、
物事の「そもそも」を考える必要があるのではないでしょうか?
そして、私たち日本人が考えるべき「そもそも」とは何か?
それが「戦略的思考」そのものです。
"そもそも論"が「戦略」に付いて考える際の起点となります。
そして、「戦略」と一概に言っても、これはなかなかわかりにくいものです。
それを分かりやすく噛み砕いて皆さんにお伝えするために、
多くの先人の知恵から学び、独自の「戦略の階層」としてまとめました。
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▼「リアリズム」の理論とは何か?
~ジョン・J・ミアシャイマー『大国政治の悲劇』から読み解く~
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勃興する中国、混迷を続ける欧州、
そして、冷戦終結後の世界で覇権を握ったかと思いきや、
ここに来て、衰退の兆しも見え始めた米国。
その米国が、東アジアから撤退する可能性すら囁かれている現在、
これを読んでいるあなたは、
日本が大変な岐路に立っている、大変な状況に置かれている。
と言われれば、必ず納得するはずです。
では、そんな厳しい現状で、私たち日本人は何をすべきなのでしょうか?
それは・・・
古今東西、国際政治の底流に脈々と流れ続ける、
学問・学派としての「リアリズム」を真摯に学ぶことです。
しかし・・・
日本国内で一般的に言われているような、
ともすれば、"世俗主義"的な意味合いで語られる
いわゆる<現実主義>ではない、本当の意味での「リアリズム」を
しっかり学べる素材があまりにも少ない・・・
そんな想いの元に、今回のCDを企画・制作しました。
▼「リアリズム」の理論とは何か?
~ジョン・J・ミアシャイマー『大国政治の悲劇』から読み解く~
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