骨抜きにされた中国の防空識別圏( 2/4 ) 【石平のチャイナウォッチ】 | My Flame

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■ 骨抜きにされた中国の防空識別圏 ( 2/4 )
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( その1からつづき )

▼好戦的な中国の反応

上述のヘーゲル長官の声明とウォレン報道部長の発言は実に重要である。

つまりアメリカ軍は中国の防空識別圏の設定、すなわち「領空の拡大」をいっさい認めないだけでなく、実際の軍事行動においてもそれを完全に無視して、中国が設定した空域への通常通りの飛行を今後とも行うことを宣言したわけである。

それに対して、中国政府と中国軍は最初はよりいっそうの強硬姿勢で対抗する素振りを見せていた。

たとえば中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は25日、もし日本の戦闘機が中国の防空識別圏内で中国機の飛行を妨害するなら、中国の戦闘機も断固として日本の戦闘機の飛行を阻むべきだと主張した。

それに続いて、26日には中国国防大学の孟祥青教授(上級大佐)は中国中央テレビ(CCTV)に対し、「外国の飛行機がわが国の防空識別圏に入れば、私たちの防空ミサイル部隊も警戒状態に入る」と語った。
あたかも中国はすでに臨戦態勢を整えたのかのような好戦的な言い方である。

そしてこの同じ日に、中国空軍の申進科報道官(大佐)は、「中国人民解放軍は防空識別圏をコントロールする能力がある。
安全を保障するため脅威に応じて適切な措置をとる」と述べた。

それは当然、「米軍機は(中国が求める)措置を一切とることなく飛行できる」という米国防省のウォレン報道部長の上述の発言に対する中国空軍の正式な反応だと理解すべきであろう。
つまり、もし米軍機が中国からの「許可」を得ずして防空識別圏に入ってきた場合、「適切な措置」、すなわち軍事的対抗措置をとることを、中国空軍が堂々と宣したのである。

この時点で、中国の防空識別圏設定をめぐっての日米両国と中国との対立は米軍と中国軍との対立に収斂してしまい、米中はまさに一触即発のような全面対決の様相を呈していたのである。

▼事前通報なしで米軍B52機が飛行したが…

そして周知のように、この「世紀の対決」に電光石火の決着をつけたのは結局、米軍による敢然とした行動であった。

日本時間11月26日、米軍のB52爆撃機2機は、中国が東シナ海上空に設定した防空識別圏内を事前通報なしに飛行した。
そして米国側の発表によると、中国側から2機に対する呼びかけや戦闘機の緊急発進(スクランブル)はなかった。

2機はグアムのアンダーセン空軍基地を離陸し、防空識別圏内に入った。
尖閣諸島(沖縄県石垣市)の上空周辺を飛行した後、アンダーセン基地に帰還したという。

当時、固唾をのんで事態の推移を見守っていた筆者は、このニュースを耳にした時、さすが米軍、よくやったではないかとの感銘と、重大な事態になるのではないかという懸念が一瞬頭をよぎった。

中国軍が「防空ミサイル部隊が警戒状態に入った」と公言した中で、中国に対する事前通報なしで、しかも爆撃機による中国の防空識別圏の通過は、中国政府と中国軍に対するあまりにも大胆不敵な挑戦行為だからである。

しかし意外だったのはむしろ中国軍の反応の仕方である。

中国軍は結局、米軍の爆撃機に対しては警告もしなければ緊急発進もすることなく見守っていただけであった。
爆撃機通過の翌日、中国国防省は「中国軍は(米軍機の)全航程を監視し、直ちに識別した」との談話を発表したが、それは逆に、彼らは単に「監視」していただけで、何の行動もとらなかったことを自白したようなものである。

つまり中国軍は米軍機の防空識別圏「侵入」に何の反応も示さなかったわけである。その直前の数日間、中国軍関係者が「臨戦態勢」を示唆したり「緊急措置」をとることを公言したりして対決への「決意」を語ってみせたが、いざ米軍機が入ってきた時、彼らは結局何もしなかったのである。

また、28日には日本政府も自衛隊機が中国の防空識別圏内を飛行したと発表。
日本の自衛隊に対しても、中国軍はいっさい反応しなかったという。

つまり中国は結果的に、日米両国の軍機による通報なしの防空識別圏通過をいとも簡単に許してしまったが、前後の経緯からすればそれは当然、中国軍と習近平指導部の面子の丸つぶれを意味するような大失態なのである。

( その3へつづく )

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