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┃日本の情報・戦略を考えるアメリカ通信 ┃ http://www.realist.jp
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├ 2013年12月12日 中国が“平和的に"台頭することはない。(2/3)
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(その1)
http://archive.mag2.com/0000110606/20131211144753000.html
より続きます。
(環球)
しかし中国側からみれば、中国には経済力はあるが、安全保障や政治のような他の分野での影響力はきわめて不釣り合いだと考えている人が多いわけです。
あなたの理論にしたがえば、「中国はまだ経済的にそれほど強力ではないから」ということになるんでしょうか?
(ミア)
中国経済は一九八〇年代初期から驚くペースで発展しておりますし、この流れだと上昇あるのみでしょう。
(環球)
あなたは「中国崩壊説」を信じていないんですか?
(ミア)
実際のところ、私もわかりません。
ただしこれは私の勘ですが、中国は崩壊せずに経済もこのまま驚くべき発展をするのではと思ってます。
そしてその結果、中国が軍事的に段々と強力になるんでしょう。
なぜなら経済力と軍事力は密接な関係性を持っているからです。
とくに強力な軍隊を持つためには、強力な経済が必要なわけですから。
だから私は「未来は中国のものだ」と言っているわけです。
中国の地政戦略的状況は、軍事的に強力になるにしたがって改善するでしょうね。
その大きな理由は、経済的にさらに強力になるという点にあります。
(環球)
では経済発展と軍事力の発展によって、中国は自動的に国際舞台における発言力を獲得することができるということですか?
(ミア)
中国が経済的・軍事的に発展してくると、国際制度機関に影響を与え、外交的にも発言力を高めることが可能になってきます。
中国の外交力は、さらなる軍事力の強化によって担保されるようになるでしょう。
そうなると外交も、より効果的なものになってきます。
国際政治における中国の影響はどんどん高まるでしょうね。
ところがここで思い出さなければならないのは、アメリカと中国の周辺国たちは中国のパワーを封じ込めようと多大な努力をする、ということです。
そしてこれによって、中国の影響力の発揮が制限されるでしょう。
それでも中国は巨大な国家ですし、潜在的な経済力は大きいわけです。
もし中国自身がその潜在力に気づいたら、経済的にも軍事的にも信じられないほど強力な国家になるでしょうね。
(環球)
ただ、ASEANとの「南シナ海行動規範」(COC)について考えてみてください。
中国の専門家たちは、中国がこのような交渉を積極的にリードして新しいルール作りをするべきだと言っております。
ただし今のところ、中国はこの地域で新しいルールづくりに参加しているだけです。
次の十年間に中国はこの地域のルールづくりをリードするようになるということでしょうか?
(ミア)
これについては2つのことを言わせてください。
一つ目は、中国は今の時点で交渉を進めるべきではないということです。
なぜなら中国はまだ交渉を有利にできるほど強力ではないからです。
中国がすべきなのは20年から25年待つことであり、その時になってからはじめて交渉するということです。
なぜならその時点でいまよりもはるかに強力になっていて、北京ははるかに良い結果を得ることができるはずだからです。
したがって、私は中国が交渉を遅らせて、もっと強力になるまで現状維持を続けるべきだと考えます。
そして二つ目は、中国はのちに強力になった時に、南シナ海で欲しいものを主張すればいい、ということです。
(環球)
周辺国の、とくにビジネスマンたちは、この地域における中国か米国のどちらかの単一のリーダーシップを好んでいないように見えます。
彼らは米中二国が互いに競争して、両者の間でバランスをとることによって利益を最大化できればよいと考えているようなんですが、このような傾向をどう見ますか?
(ミア)
ビジネス関係者というのはたった一つの目標しかありません。
それは「カネを儲けること」です。彼らは地政学にはそれほど関心を持っておりません。
ビジネス関係者たちは平和なアジアを求めているだけで、米経済と中国経済の両方が繁栄して儲けることができればいいわけです。
私の議論は、地政学、もしくは地政戦略のロジックが存在し、それはビジネス界とは独立して存在しているものであり、これが将来のアジアにおいて多大な影響力を持つことになる、というものです。
この地政学的なロジックというのは、ビジネス関係者たちの考えとは根本的に違うものです。
なぜならそれは「ゼロサム」だからです。
(環球)
つまりあなたが言いたいのは、「この地域のプレイヤーたちは、アメリカか中国のどちらかにつく必要に迫られる」ということですか?
(ミア)
全くその通りです。そしてそれは確実に起こるでしょうね。
アジアには、経済的な理由から中国側につき、安全保障的な理由からアメリカにつきたいと考える国々は多いでしょう。
ただしわれわれが考えなければならないのは、どちらの要素が勝つかということです。
私の議論では、安全保障が経済的な理由を圧倒する、というものです。
そしてこの主な理由は、どの国家にとっても存続(サバイバル)が主な目標であるべきだからです。
安全保障はその他の目標よりも優先順位は高くなければなりません。
これは中国、アメリカ、日本、ベトナム、シンガポールなど、地球上のどの国にとっても同じです。
もし国家が存続できず、自国で安全保障を提供できないことになると、それ以外の目標も追求できなくなるからです。
よって私は、韓国、日本、そしてオーストラリアのような、中国と経済面で取引があり、今後もその関係を続けたいと考える国々でも、いつかは中国の封じ込めを狙ったアメリカの側のバランシング(反中)同盟につくはめになると考えます。
(環球)
この問題については中国の専門家たちの多くも悲観的です。
たとえばミャンマーでさえアメリカと積極的に交流しておりますし、中国と北朝鮮の関係も変化しつつあるように見えます。
専門家たちは、中国がこの地域において多くのカードを持っていないと言うことが多いのですが、あなたは中国がこの地域での同盟国を多く持てないとお考えですか?
(ミア)
そうですね、その通りだと思います。
(環球)
つまり中国は孤立した国家になるということでしょうか?
(ミア)
中国の同盟国は少ないでしょうね。
北朝鮮は同盟国になるかもしれませんし、ラオス、カンボジア、そしてパキスタンもそうなるでしょう。
ミャンマーの例ですが、アメリカはミャンマーを中国の同盟国から自分たちの同盟国にするために多大な努力をするでしょうね。
アメリカはすでにインドネシアやマレーシアで同じことやりました。
アメリカはパキスタンでさえも自分たちの側に引き止めるように努力するはずです。
中国が直面している問題というのは、まず物理的にアジアに存在しているために、アメリカとは違って、周辺国にとって直接の脅威になっているという点です。
これは純粋に「地理」の働きのためです。
アメリカはアジアで領土を求めていません。これはヨーロッパでも全く同じです。
だからこそヨーロッパの国々はアメリカのことを恐れないのです。
アメリカはベルギーやイタリア、それに韓国を征服するわけではないからですよ。
したがって、アメリカは中国のように、アジアの国々にとってそれほど脅威となるわけではないのです。
アメリカはベトナムで1965年から75年まで泥沼の戦争を戦いましたし、そのためにアジアの国々にとって危険な存在になることもあります。
しかしアメリカは、中国ほど彼らにとって危険な存在ではないですし、その理由は、ただ単に中国が物理的にアジアに位置しているからなのです。
よって、中国のすべての周辺国たちは、自分たちのことを中国から守ってくれる存在を地域外に求める強力なインセンティブをもっており、だからこそアメリカにとって反中同盟を形成するのは簡単なのです。
余談ですが、これは冷戦時代のソ連にとっても、ヨーロッパとアジアの両地域で全く同じ構造がありました。
結局のところ中国は、ソ連に対抗するためにアメリカについたわけですよね。
そしてその理由は、ソ連が、アメリカとは違って、中国にとっての直接の脅威だったからです。
( ・・・その2につづく )
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▼「リアリズム」の理論とは何か?
~ジョン・J・ミアシャイマー『大国政治の悲劇』から読み解く~
http://www.realist.jp/mea2.html
勃興する中国、混迷を続ける欧州、そして、冷戦終結後の世界で覇権を握ったかと思いきや、ここに来て、衰退の兆しも見え始めた米国。
その米国が、東アジアから撤退する可能性すら囁かれている現在、これを読んでいるあなたは、日本が大変な岐路に立っている、大変な状況に置かれている。
と言われれば、必ず納得するはずです。
では、そんな厳しい現状で、私たち日本人は何をすべきなのでしょうか?
それは・・・
古今東西、国際政治の底流に脈々と流れ続ける、学問・学派としての「リアリズム」を真摯に学ぶことです。
しかし・・・
日本国内で一般的に言われているような、ともすれば、“世俗主義"的な意味合いで語られるいわゆる<現実主義>ではない、本当の意味での「リアリズム」をしっかり学べる素材があまりにも少ない・・・
そんな想いの元に、今回のCDを企画・制作しました。
▼「…
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