規制緩和で生まれる既得権益 『三橋貴明の「新」日本経済新聞』 | My Flame

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       『三橋貴明の「新」日本経済新聞』

      2013/09/23


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FROM 三橋貴明


【今週のNewsピックアップ】

●国富新論
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11616296760.html

●「TPP参加」を即刻やめて「エネルギー安全保障」を強化せよ!
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11617616498.html



さて、「反・構造改革」「反・新自由主義」「反・グローバリズム」(実のところ、構造改革も新自由主義もグローバリズムも似たようなものですが)の本を二冊、立て続けに出しました。基本的に、構造改革主義者は「規制緩和」「市場原理主義」を主張しますが、ときには規制強化、反市場主義的な政策を推進するケースもあります。典型がFIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)です。FITについては、扶桑社「国富新論(http://www.amazon.co.jp/dp/4594069053/)」で一章を割いて解説しています。

FITを理解すると、構造改革や市場原理主義の「後ろにあるもの」が分かるのです。すなわち、「誰か」が儲けることができれば、別に政策は何でも構わない、という話です。

本メルマガやブログなどで繰り返し批判していますが、FITほど市場主義とかけ離れた制度は存在しません。何しろ、発電企業側は「需要と無関係」に電気を「固定価格」で買い取り続けてもらえるわけです。しかも、最長20年という長期にわたって。FITは政府の法律で発電企業を「保護」し、既得権益を作り上げることで、国民からの所得移転を実現したものです。

本書をお読み頂ければお分かりになると思いますが、ドイツではFITの既得権益者たちがあまりにも巨大になり過ぎ、彼らが政府に圧力をかけ、反FIT的な政策を妨害しています。結果的に、ドイツの家計はFITの賦課金として、月に2000円程度、年間2万4千円をFIT事業者に「所得移転」しているのでございます。それにも関わらず、FITの改革は遅々として進みません。FITの既得権益を持つ事業者たちが政治的に妨害をするためです。

既得権益とは別に「政府の保護」つまりは「規制」のみで生まれるわけではありません。政府の規制緩和でも、既得権益は生まれます。何しろ、既得権益とは「企業のビジネスのネタ」というだけに過ぎないのです。

例えば、政府の産業競争力会議の民間議員である楽天の三木谷社長の要望を受け、政府が医薬品のインターネット販売を解禁したとしましょう。楽天はインターネットにおける医薬品販売を開始し、売上、利益を拡大していくでしょう。この時点で、楽天は「インターネット医薬品販売」における既得権益と化しているのです。

その後、インターネットにおける医薬品販売が「健康に問題が生じる」と判断され、法律が改正されようとしたとき、楽天は「既得権益者」として政治的に抵抗するでしょう。自分たちのビジネスのネタを失おうとしている以上、当たり前です。

というわけで、結局のところ「規制の強化」も「規制の緩和」も共に「既得権益者」を生み出し、さらに彼らはビジネスのネタを失う法律の改正には、規制の強化だろうが緩和だろうがいずれにせよ反対する、という話です。企業の目的が「利益」である以上、これは考えてみれば当然の話です。

というわけで、政治家はときには各企業の利益を超えて、国民のための政治を執り行う必要があるのです。すなわち、企業に損害を与える法律であっても、成立させる必要があるときは、成立させなければならないのです。理由は、国民の健康、環境の保護、人権の保護など、「価値観」として企業の利益よりも重要と思える環境条件が発生するためでございます。

そして、政府が(というか政治家が)、企業の利益を度外視しても推し進めなければならない政策を代表するものこそが「安全保障」になります。
もちろん、安全保障には軍事面はもちろんのこと、食料安全保障、医療安全保障、インフラ老朽化から国民を守る安全保障、自然災害に対する安全保障、そして「エネルギー安全保障」などが含まれます。
例えば、政府がエネルギー安全保障を推進したとき、多数の企業が損害を被るケースもあります。といいますか、日本のエネルギー安全保障には有害でしかないFITを廃止する場合、メガソーラ—などの発電企業の多くに、間違いなく損失が生じます。それでも、政治家は「国民の安全保障」のために、容赦なく法律を改正する必要があるのです。国民は、まさに「そのための権力」をこそ、選挙を通じて政治家に与えているわけでございます。

とはいえ、国民自身にエネルギー安全保障に関する知見が無ければ、政治家の「国民のエネルギー安全保障を強化するためのFIT潰し」は、FIT事業者のマスコミ対策などもあり、世論から総バッシングを受ける羽目になるでしょう。結果、政治家は「次の選挙」で落選し、日本のエネルギー安全保障の強化は実現できないという話になってしまいます。

というわけで、日本国民の安全保障、特にエネルギー安全保障について理解してもらうことも、マガジンハウス社「「TPP参加」を即刻やめて「エネルギー安全保障」を強化せよ! 」( http://amzn.to/1aYxXt5 )を書いた理由の一つでございます。本書は巻末で中野剛志氏と「エネルギー安全保障」をテーマに対談しています。


PS
FITに関心があるなら、こちらも参考になります。
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_384EN_S_D_3800/index.php

PPS
もしあなたが尖閣問題に関心があるなら、このページはとても重要です。
http://www.keieikagakupub.com/sp/38NEWS_SAMPLE_SENKAKU/index_mag_sl.php



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