イン・ザ・プール | 極私的覚え書き

イン・ザ・プール

主人公の伊良部一郎医師は、容姿も性格も嗜好も、かなり変な精神科医。「変人」というよりは「変態」だ。周囲のことに脇目も振らず自分の嗜好を満たすことに熱中するマニアック。精神科医にはかなり変人(変態)が多いと思われる。実際何かの記事に奥田自身も鬱病の時期があったと読んだ。かなりが実際見聞きした実在のエピソードに近いと思われ。とにかく病的性格をもったひとはおもしろい(いい意味で?)。立ち読み厳禁!(笑いすぎてあなたも変人に間違われる)

伊良部という姓は沖縄の伊良部島に多い名前で、その土地は酒とケンカがさかんな土地柄らしい。何しろオトーリ(酒をまわしのみする儀式、知らないヒトとでもすぐ仲良しになれる)のやりかたが悪いと観光客が皿で頭を殴られる事件が起きるほど(琉球新報ウェブ版)。そんな伊良部が主人公なのは訳があるか。僕の想像だが、奥田英朗は野球好きなので、元NYのfrogとよばれた伊良部秀輝をイメージしたに違いない。

イン・ザ・プール
奥田 英朗 (著) 単行本 (2002/05) 文芸春秋
価格: ¥1,300(税込) ☆☆☆☆★(真面目に悩むのがばからしくなります)

映画版、漫画版紹介