終わってないことを一つ一つ終わらせる。
未完了の物語を。
そう簡単に…終わらせないさ。
誰かが言う。
憎い憎い憎い絶対に終わらせない。
呻いている。
許さない許さない許さない絶対に許さない。
叫んでいる。
もっと酷いことを他人にしたら心が晴れるのか?
…そうでも無かったけどな。
「気が付かれましたか?」
白い。
白い景色の中で、人の声が聞こえた。
この人は…?
「…あなたは、誰ですか?」
自分が言おうとした言葉を先に取られたので推し黙る。
そうか、私は誰だっけ?
…あれ。
記憶がない。
何故ここにいるのか、自分がどこの誰なのか。
分からない。
「…わかり、ません」
目の前の人は徐に喋り出した。
「あなたは…
こういう感じの夢をよく見るんですよね。
全てを知って達観してる自分からの、記憶を抜き取られた感じ。
その人としての記憶がないのに、その役を演じさせられたりする感じ。
でも、記憶がないことを周囲に悟られないように振る舞ったりするんですよ。
その冷や汗感がね。
巷に溢れる異世界転生ものって、記憶がある前提だけど、実際はあんなに上手く行かねーわ。
寧ろ中途半端な記憶あればそれに振り回されて自爆するわ。
目が痛いンすよ。
頭も痛い。
しんど。。
わたしにしてはインターネットデトックスしてる方なのに、やはり月のサイクルでそういうフェーズなのだろう。
変わるために手放すものは何だ。
…全て、か?