金之助は自分自身に呆れていた。
ーーまた奴に塩を送ってしまった…
自分自身でも自分はいい加減、津島に甘すぎると思う金之助だった。
朝日の吸い殻で一杯になった灰皿を見て、ため息をついた。
「…先生、いつもより大分吸い殻が多くてらっしゃるのね」
そして相変わらず弟子の弥生子は言うことがいちいち五月蠅い。
思い切り顔を顰めたくなったが、気にしていると思われることすら癪だったので、
「うむ…」
出来るだけ無感情を装い、短く返事をした。
無視を決め込んでも良かったのだが。
そんな金之助の様子を見て、弥生子はくすりと笑った。
どこまでも神経を逆撫でてくる女だ。
意味もなく貼り付け。
うーーーん。
ラノベ臭出すか文学臭出すか、それが問題だわ。
どちらかに寄せようとするとどちらかが遠くなる…
相変わらずゆるふわだー。
青空でも読むか。
いや、そんな時間ないな。