先日、MX Linux が新バージョンを発表したと思ったら、続いて antiX も登場してきました。お互い親戚同士なので、やはり、一つ飛ばしてバージョン21としての登場です。毎日使用しているものなのですが、やはり新バージョンにはワクワクしています。極楽はぜはそんなはやる気持ちを抑えながらも、簡単なメモ作りに励みました。
ホームサイトにこんなことが書かれていました。
「antiX は、「antiX マジック」を提供します。だから、まだその古いコンピュータを捨てないでください!。antiX の目標は、Linux の初心者と経験豊富なユーザーの両方に、軽量でありながら完全に機能し、柔軟な無料のオペレーティングシステムを提供することです」
今回使用したジャンク PC はこれです。ハードオフのジャンクコーナーで二千五百円で購入した、画面が変色したトンデモ品でした。あの手この手でなんとか使えるようになりましたので、壊れるまでしゃぶりつくそうと、毎日酷使しています。
・ Let's note T8 CF-T8
・ 2009年 2月下旬 発売
・ 画面サイズ:12.1型
・ CPU:Core 2 Duo SU9300
・ メモリ容量:2GB
今回の焼きツールは MX に内蔵されている「ライブUSBメーカー」です。これは書き込み可能な「永続性のセットアップ」が出来るようになっている便利ツールです。
なお、ISO ファィルは全部入りの antiX-full 版を使用しました。他にも4つのバリエーションがありますのでお好みでどうぞ。
1. インストール
2. 日本語化
3. カスタマイズ
4. おまけ
それでは焼いた USB からインストールを始めます。インストーラーは分かりやすくシンプルなので、割と短時間でインストールすることが出来るようになっています。
1. インストール
そろそろと、新規インストールを開始していきます。
a. カーネル選択
今回から、カーネルを新旧2つの中から選択できるようになりました。デフォルトの「Modern Kernel」は MX と同じで、「Legacy Kernel」は前バージョンからの継承です。10年以上前のジャンク PC はどちらでしょうか。微妙です。
b. 日本語選択
作成した USB から新規起動しましたら、F2 を押して日本語を選択します。ロケールの初期設定はこれだけで全部です。ファイルマネージャーが決まっていれば F6 でデスクトップを選択できますが、インストール後でもかまいません。
c. インストール開始
ライブ版が起動しましたら、無線 LAN 設定等を済ませ画面上のインストールアイコンをクリックします。
d. キーボード設定
突然キーボード設定が出てきますが、サラッと確認、結局はそのままで次へ進みます。
e. インストールタイプ選択
新バージョンでは設定画面が変更になりましたが、マルチブートのために一番下の「ディスクレイアウトをカスタマイズ」を選択しています。
f. パーテーション選択
ここでは インストール先と swap を、表示される既存のパーテーションから選択します。今回の設定箇所は「Use for」の黒枠内で、プルダウンメニューからそれぞれ該当項目を選択します。
・インストール先 : root
・swap : swap
g. ルート・ユーザアカウント
個人情報を入力します。今回は User だけの設定にして、root は設定していません。そうすることにより「sudo 」を使用することになるようです。root が無いと気持ちが悪いよと言う方は、root 必須です。
h. インストール
インストール中です。
i. インストール 完了
インストールが完了しました。antiX や MX は高速インストールなので、割と短時間で済ませることが出来、スキマ時間の活用にはもってこいです。
i. 終了
完成後は、一番最初にアッブデートを済ませておきます。リリース直後なのに、いつの間にかもうこんなに 87 個もアップデートが待ち受けていました。
超軽量で世界中に名前を売っている antiX ですが、反面、日本語入力の設定が面倒と悪評が立っています。事実は全くそのとおりなので、反論のしようがありません。しかし、実態は、必要パッケージの追加と起動設定追加の2つだけの作業でで完結します。
パッケージの追加には次のように2つの方法があります。
A. パッケージインストーラからの方法
B. 推奨パッケージオプションを使う方法
今回は2番目の推奨パッケージオプションを使う、省力化された方法で設定してみました。
a. 推奨パッケージインストール
この方法は、端末からパッケージを直接インストールする方法で、実際にはコピペするだけです。それだけで、日本語化に必要な fcitx 、fcitx-mozc 及び推奨パッケージを、一気にインストールすることが出来ます。
sudo apt install --install-recommends fcitx fcitx-mozc
b. autostart の設定
次は mozc を起動させるための起動設定を追加しますが、起動設定には2つあります。
1つ目は、「コントロールセンタ」のセッションにある「デスクトップセッション」を開き、「startup」の末尾へ下記を追記します。
# fcitx-autostart
fcitx-autostart &
c. gtk / qt IM モジュールの設定
2つ目はこれです。以下の5行を「ユーザーデスクトップセッション」の「desktop-session-conf」に追加します。
# set fcitx
export GTK_IM_MODULE=fcitx
export QT_IM_MODULE=fcitx
export XMODIFIERS=@im=fcitx
# export DefaultIMModule=fcitx
4行目をコメントアウトしていますが、上3行での設定で動かないときは、4行目の追加が必要です。通常は不要ですが、arch-wiki の受け売りで書いています。
d. 再起動
追加設定後、再起動するだけで日本語入力ができました。かな入力設定に必要な「mozc-utils-gui」は、今回の2番目の方法ではインストール済でした。
大きな声では言えませんが、fcitx5 も試してみたのですが、起動はできても極楽はぜの環境では、今のところは不安定で使えませんでした。正しい設定方法が分かっていません。
3. カスタマイズ
ややこしい日本語入力設定が終わりましたので、ここからは安心して使えるように、システム界隈を「簡単カスタマイズ」します。
a. Conky 日付の文字化け解消
常時表示され便利に使得ている Conky ですが、インストール直後は定番の文字化けがあります。すごく気になりますので、見た目だけを簡単な方法で直すことにします。
「コントロールセンター」の「デスクトップ」、「Conky の編集」のフォント名を「DejaVu Sans」から「Sans」へ変更します。
27行目
#ftfont Sans:size=10
ついでに Conky の日付表示形式も少し書き換えます。「time」のフォーマットを %F、%a 等の見やすいものに変更します。
105行
${alignc}${time %F (%a)}
少しの手間でスッキリ表示にすることが出来、カレンダー代わりに使用しています。
b. タスクバーへアイコン追加
タスクバーへよく使うアイコンを追加し、使いやすくしてみます。これはメニューのアプリケーション / antiX の「ツールバーアイコンマネージャー」から操作できます。
アイコンを追加するには「ADD ICON」をクリック、追加したいアプリを選択します。ここでは、Google Chrome を追加してみました。しかし、見辛いですね。
タスクバーに Google Chrome アイコンが追加されています。
c. スナップショット作成
antiX の便利な機能に ISO ファィルが作成できる「スナップショット」があります。作成するにはアイコンをクリックするだけです。
設定事項が表示されますが、そのまま次へ進みます。
次画面で、デスクトップ関係のディレクトリを全部選択します。
完成しました。/home/snapshot に ISO ファィルが出来ていました。これがあれば、他の PC へ簡単にカスタマイズ済のシステムを移植することが出来ます。
d. アップデート通知機能
デフォルトでは、antiXはアップデートをユーザーに自動的に通知しないようです。これを解決する方法を本家サイトを探してみましたら、apt-notifier を使用する方法が紹介されていました。これにより、ツールバーに通知アイコンが配置され、更新があればユーザーに通知されます。
最初に必要パッケージをインストールします。
sudo apt update && sudo apt install apt-notifier
次に、コントロールセンタ / セッション / ユーザーのデスクトップセッションの中にある「apt-notifier」をコメントアウトすることで、アップデート通知を登録することが出来ます。
ログアウト / ログインかセッション再起動しますと、タスクバーに緑色のアイコンが表示されます。これが通知アイコンです。やっと人並みになりました。
4. おまけ
今回のおまけは、全然起動できないとか、起動が遅い場合の対応方法を考えてみました。これは極楽はぜにも出来たお手軽な方法だけで、難しいことは何もやっていません。いや、出来ないのです。
a. 起動できない場合
いつまで待っても黒画面のままで、起動できない現象が発生した場合は、F4 の中から「acpi = off」を選択することで起動できる場合があります。ただし、電源管理が出来なくなりますので、副作用が出る場合があります。電源が切れない、輝度調整ができない等。
F4:その他のオプション
acpi = off ... acpiを無効にします。これは、一部の古いラップトップで役立ちます。
b. 起動が遅い場合
今回は二種類のカーネルが実装されていて、オールド PC でのトラブルを回避出来るように工夫されています。そこで、デフォルトの「Modern Kernel」を止めて「Legacy Kernel」へ変更することで起動が早くなる場合があります。
また、「Modern Kernel」では起動できない場合にも効果があります。いかにも苦肉の策とはいえ、即効性があり役立っているようですので、対策としては正解でしょう。
さて、いつものようにメモリ使用量をチェックしてみます。見てビックリ、超軽量でした。
# free -h
HDD の使用量も、Debian 系らしく持続可能な省エネ OS になっています。もちろんオフィス・不要ブラウザ等は削除し、クリーニングソフト、breachbit で掃除しています。
# df -h
とうとう新リリースされた antiX 21も、なかなかの持続可能な超軽量・省エネで、どんなジャンク PC でも起動可能な仕上がりとなっていました。カーネルを2つ用意する等の、上級 PC と極楽はぜのような底辺 PC 愛好家の、両方を満足させる苦肉の策が功を奏しているようです。
近所のりんごの木は、もうそろそろもぎ取ってよと、周りに訴えかけるように垂れ下がっていました。
ローカル新聞によりますと、
「地元には、全国でも珍しい「りんごまるかじり条例」がある町があります。丸かじりできるリンゴというのは、おいしさはもちろん、食の安全にもこだわっているという消費者へのメッセージです。りんごワーク研究所が開発した各種の加工品は、全国の百貨店などで高く評価され、海外にも販路が広がっている」そうです。
最近の極楽はぜは、先日、外出時にスマホを家に忘れて大慌てしてしまいました。というのは、いつも通っているジムでは、顔認証とスマホでのスタジオ入室が必須なのです。顔認証は顔だけあれば良いのですが、スタジオ入室は QR コードでピッ、が必須なのでした。では、また。
やっぱりね世界人気は最軽量