現役合格に失敗して
予備校に通い始めてから
期待感は自ずと深まった
高校時代はどこか
夢のような色合いがあって
漠然と胸が騒いでいた
予備校に行くようになって
否応なく現実の厳しい壁を
突き付けられた
それをバネに翌年見事
合格を勝ち得ることが出来た
となれば万事めでたし
めでたしなのだが
そうは行かず
翌年も予備校生活に戻って
結局三年通うことに
たしかに苦しくもあったが
期待はまだ生きていた
風のような記憶
膨らみながら縮んだり
あの頃が一番生き生きとしていた
或る国立大学の
学生となって
キャンパスを歩く自分を
思い描いたことか
国立大学へのコンプレックス
それは思い返せば
必ず自身の胸を突いて來る