あの日々

振り返ると

今もゆっくり動いている

のを感じる

 

恋と言うもの

一番かがやうてうた

 

恋の粒子が

幾つも心から

飛び散るのが

 

あれは

自分だったのか

 

少なくとも

街は自分の時計を

巡っていたと

 

その錯覚は

自ずと思い出を

織りなして

 

恋はひとつも

実のらなかったけれど

 

不様に揺れ続けていた

自分の姿

だからくっきりと

今も

 

あの昭和五十年代

飼い猫がいつも

わたしの傍に

共に生きていた