幻想にいつも
合わさって見えるのは
街の静かな波
そしてどこかの
海辺の町のざわつき
時間は時々
自分の中で
ぐるぐる回っては
わたしをゆるやかに
変身させて
そこに幻想だけが
光と闇に彩られた
森の中で獣の目を向けて
幻想
今なお息づくものが
それだけならば
わたしは何を
疎むことがあるだろう
今日も街へ出て
海沿いの町へも
心を精一杯投げ掛ける
街のそれぞれの足音に
海辺の町の季節の匂いに
もう幻想はからみついている
影の砂塵のように今は