多分何かを

置き忘れて来たと

 

駆け抜けたのか

ひとつの街でも

 

悲しみを

やはり苦々しさで

思い返す

 

ちっぽけな心の

動き

 

若かった

それだけだった

 

でも若いってことは

まだ許される言い訳

だった

 

愛した

破れた

 

傷つけた

今ではおぼろげな

記憶が時に刺激して

 

何があったのか

皮膚を掻きむしって

いるうちに

過ぎてしまったように

 

愛した

ひとりの女性は

なぜか忘れずにいて

 

酒場で飲んでいる

誰彼となく

声を掛けて

 

酒を飲み交わす

その時だけの笑顔

 

それでいいか

今はさみしい

無性に

 

若さかーーー

時々ふっと含み笑いして

でも遠くで面影に浸ってーーー