ピアノは

わたしの想念です

 

それが一日の始まりの

滑り出しでしょう

 

ピアニストは

大抵が女性です

 

その横顔

後ろ姿が彷彿と

 

彼女は

その日の

わたしの気分を表現する

 

だからジャズも

クラッシックも

スクリーンミュージックも

 

指先が

もううねっている

わたしの言葉よりも先に

 

細やかな手さばき

足の脈動

そのすべてが新しい出会いを

 

セロニアス・モンクが

そこにいるのか

と言う錯覚が

 

モーツアルトまで

突き上げて行く

幻想のように一閃して

 

一日がそこに

わたしはひれ伏すように

なぞって行く

 

ピアノが鳴り出し

言葉が生まれようと

しているーーー

 

それでも浮かび

上がらない日

 

それは自分の

何かがまだ覚めない

さみしい日だと