白が機能する
たとえば夢のむこうが
漠然と見える日
白がするする浮上して
気が付くと悲しみと
一緒だ
白はうごめく
時間よりもゆっくりと
けれど今日のメッセージは
とうに消えている
風が吹く
無言で通り過ぎるために
白はうごめく
精一杯この季節を
やがて忘却の空間へ
自分と言う悲しみの
ひとつだろうか
蛍が取り残されたような
むこうの空域で
光っている
まるで泣いているようだ
夏が始まり
もう終わろうとしている
白
その呼吸は
人を含めた風景を
避けたがる自分の中で
かろうじて動いて