秋が滞在している
心なしここ一、二年
より短くなっているような
妙な気分にさせるのは
秋の今の背中が
気になるからでもある
あのやさしさの割には
毛むくじゃらで
肩甲骨や背骨は
浮き出る程痩せて
みずうみの底のように
黒く尖っているかも
知れない
そう思うとちょっと
気が引けるけど
何か告げてみたくて
読経でもするように
独り言を言っている秋の
背中めがけて
秋
依然空を大気を
街の明かりを
夜明けの雨の匂いを
笑顔でさり気なく
従わせる威厳があるんだよ