黒はスタートを
示唆する
ひたすら欲望の
色
広がる
愛のために
いややはり欲情の
なせるままに
スタートを切る
でも今日も何処へ
行くかわからない
ダッシュだけは
百メートル級の凄味を
帯びて
そりゃあそうだ
女がほのみえている
黒いランジェリー
黒いストッキング
悲しい程に眩しい
そして幻夢が慌しく舞い上がる
それはもう火になっている
すべてを心得たように
わたしは向かうだけ
黒は或る意味合図の
色になる時も
彼女は今は目配せ
している
わたしは彼女に乗る
そのキリキリするリズムに
透明で容易につかめない
その悲しみに
今度は自分が火になって