言葉が愛しい

風景の中に

いくつもの言葉が

ある

今日も待っている

ようで

 

路傍の小さな花の

影に

見慣れたいつもの

駅の周辺

或いは道行く人たちの

横顔 後姿に

彼らは照れるように

潜んでいるかも知れない

でも視点を変えれば

人の姿に映るのは

その人のまぎれもない

かたちでもあって

 

いずれにしても

言葉として

わたしはまたひとつの

映像を広げて

行く

 

風景

人はそこに

愛する時も

家族のことを

ふっと思う時も

 

詩は何処にも

きっと息づいている

と思えば

言葉はその日の色を

帯びて来る