レスキュードットナまとめ
東日本大震災被災状況

東北地方太平洋沖地震(M9.0・最大震度7)
3月11日14:46頃、三陸沖を震源とするM9.0の巨大地震が発生
この地震で宮城県北部で最大震度7を観測、東北地方を中心に甚大な被害が出た。
依然として強い余震が発生する恐れがある。


■地震情報
【発生事象】
・発生時間:平成23年3月11日(金)14:46頃
・震源地:三陸沖(北緯38.0度、東経142.9度、牡鹿半島の東南東130km付近)
・震源の深さ:約24km(当初約10km)
・地震の規模(マグニチュード):9.0(当初7.9→8.4→8.8から修正)
・気象庁は13日、マグニチュードを8.8から9.0に修正(観測が開始された明治以降で国内最大)

・気象庁は11日、「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」と命名

【震度5弱以上が観測された地域】
・震度7 :宮城県北部
・震度6強:宮城県(南部・中部) 福島県(中通り・浜通り) 茨城県(北部・南部) 栃木県(北部・南部)
・震度6弱:岩手県(沿岸南部・内陸北部・内陸南部) 福島県会津 群馬県南部 埼玉県南部 千葉県北西部
・震度5強:青森県三八上北 岩手県沿岸北部 秋田県(沿岸南部・内陸南部) 山形県(村山・置賜) 群馬県北部 埼玉県北部 千葉県(北東部・南部) 東京都(23区・新島) 神奈川県東部 山梨県(中・西部、東部・富士五湖)
・震度5弱:秋田県沿岸北部 山形県(庄内・最上) 埼玉県秩父 東京都多摩東部 神奈川県西部 新潟県中越 長野県中部 静岡県東部
【余震確率】(29日 気象庁)
<最大震度5強以上の余震確率>
・3/29 15:00から3日以内:10%以上
・4/1 15:00から3日以内:10%以上

■行政の対応

【激甚災害指定】
・政府は12日、東北地方太平洋沖地震について「激甚災害」に指定
【特定非常災害指定】
・内閣府、総務省、法務省は13日、東北地方太平洋沖地震について「特定非常災害」に指定
【災害救助法適用】
・青森県・岩手県・宮城県・福島県・茨城県・栃木県・千葉県・東京都
【被災者生活再建支援法適用】
・青森県・岩手県・宮城県・福島県・茨城県・栃木県・千葉県

■人的被害
【死者】11621人
・北海道:1人 ・青森県:3人 ・岩手県:3438人 ・宮城県:7058人
・山形県:1人 ・福島県:1064人 ・茨城県:22人 ・栃木県:4人
・群馬県:1人 ・埼玉県:1人 ・千葉県:17人 ・東京都:7人
・神奈川県:4人

【行方不明者】16466人
・青森県:1人 ・岩手県:4562人 ・宮城県:7159人 ・福島県:4741人
・茨城県:1人 ・千葉県:2人

■物的被害
【全壊】46094棟
・青森県:262棟 ・岩手県:12759棟 ・宮城県:29477棟
・秋田県:3棟 ・山形県:37棟 ・福島県:2413棟
・茨城県:353棟 ・栃木県:132棟 ・埼玉県:1棟
・千葉県:654棟 ・東京都:3棟

【半壊】9411棟〔以下注記ない場合は総務省消防庁〕
・青森県:481棟 ・岩手県:1062棟 ・宮城県:1859棟
・山形県:78棟 ・福島県:1221棟 ・茨城県:2013棟
・栃木県:1098棟 ・群馬県:1棟 ・埼玉県:44棟
・千葉県:1537棟 ・東京都:6棟 ・神奈川県:11棟

【浸水】4138棟〔警察庁〕

・北海道:766棟 ・青森県:78棟 ・岩手県:41棟
・宮城県:56棟 ・福島県:120棟 ・茨城県:1939棟
・埼玉県:1棟 ・千葉県:1109棟 ・東京都:2棟
・徳島県:10棟 ・高知県:16棟

【全半焼】148棟
・岩手県:12棟 ・宮城県:9棟 ・福島県:77棟
・茨城県:39棟 ・埼玉県:2棟 ・千葉県:6棟 ・東京都:3棟

【避難者数】約21万人
青森県:265人 岩手県:43426人 宮城県:75949人
山形県:1人 福島県:88558人
 ※15日、政府は福島第一原子力発電所から半径20~30kmの地域に屋内退避を求める
 ※引き続き、福島第一・第二原子力発電所の周辺住民に対し避難指示発令中
茨城県:748人 栃木県:58人 千葉県:330人

■ライフラインへの影響
【電力】
<東北電力>170415軒(1日18:00 東北電力)

・青森県:108軒 ・岩手県:31012軒 ・宮城県:102937軒
・福島県:36358軒
【計画停電】(2日)
<東北電力>
・実施しない(4/10まで実施しない見通し)
<東京電力>
・実施しない(4/3、4/4も実施しない予定)

【福島第一原子力発電所】(経済産業省発表情報からまとめ)
<1号機>
・燃料の一部が溶ける炉心溶融の可能性
・12日15:36頃、水素爆発で原子炉建屋を損傷
・24日11:30頃、中央制御室の照明が点灯
・24日、タービン建屋地下の水から高濃度の放射性物質検出
・24日15:37頃、原子炉圧力容器への淡水注水を開始、現在も注入中
<2号機>
・冷却機能が失われ燃料が一時、全て露出
・15日06:20頃、サプレッションプール(圧力抑制室)が損傷した可能性
・26日16:46頃、中央制御室の照明が点灯

・26日、タービン建屋地下の水から高濃度の放射性物質検出
 水表面線量率で1000mSv/h(=1Sv/h)以上という非常に高い放射線量となるが、施設外部への影響はなし
<3号機>
・13日、冷却機能が失われ、炉心溶融の可能性
・14日11:01頃、水素爆発が起き、原子炉建屋が損傷
・15日、施設付近で400mSv/hの高い放射線量を観測
・17日~自衛隊ヘリによる海水の投下、自衛隊消防車、警察機動隊、東京消防庁屈折放水塔車等による放水
・22日22:43頃、中央制御室の照明が点灯
・24日12:10頃、タービン建物の地下1階で男性作業員3人が被ばく
 建屋地下の水から原子炉の水から高濃度の放射性物質検出
・25日18:02頃、原子炉圧力容器への淡水注水開始、現在も注入中
<4号機>
・15日09:30過ぎ、原子炉建屋で一時火災が発生し、その後自然鎮火
・20日~自衛隊、コンクリートポンプ車等による放水により使用済燃料プールへ放水
・22日10:35頃、受電を完了し、機器の確認中
<5号機・6号機>
・20日14:30頃に5号機、同19:27頃に6号機が冷温停止状態に

<その他>
・付近の海水から基準を1000倍以上超える高濃度の放射性物質を検出
・福島県などで生産された葉物野菜等について、2000Bq/kgの基準値を超えたため出荷制限措置
・福島県飯舘村で水道水から基準値を超える放射性物質を検出
 東京都などでも一時乳児の摂取制限を越える100Bq/kg以上を記録
・発電所のタービン建屋から外につながる配管などを通すためのトレンチからも高濃度放射線量の溜まり水
・福島第一原子力発電所内の土壌から微量のプルトニウムを検出

※福島第一原発については施設から半径20kmに避難指示、半径20km~30km圏内では屋内待避
※福島第二原発については半径10km圏内の住民に対し避難指示

【ガス】(31日20:00 経済産業省)
<供給停止>約278587軒
・仙台市営ガス:約244891軒 ・塩釜ガス(塩釜市など):約9290軒
・釜石ガス(釜石市):約5483軒 ・常磐共同ガス(いわき市):約5298軒
・東北ガス(白河市):約12軒 ・常磐都市ガス(いわき市):約286軒

・気仙沼市営ガス(気仙沼市):約858軒 ・石巻ガス(石巻市):約8542軒
・その他、簡易ガス10事業者エリア3927軒でガスの供給が停止中

【水道】(31日08:00 厚生労働省)
<断水>約270594軒
・岩手県:約50000軒 ・宮城県:約130000軒 ・山形県:4軒
・福島県:約50000軒 ・茨城県:約30000軒 ・栃木県:約590軒
・千葉県:約10000軒

■交通への影響
【鉄道】
<新幹線>
・東北新幹線:那須塩原~盛岡駅間で運転見合わせ(4月中に再開の見通し)
・山形新幹線:福島~新庄駅間で、大幅に運転本数を減らして運行中
・秋田新幹線:盛岡~秋田駅間で、大幅に運転本数を減らして運行中
<東北>
・JR東日本は太平洋側の各線で津波により広範囲で寸断されている状態の路線もあり、運転再開の目処立たず
 一部区間で折り返し運転の動き
・仙台市営地下鉄は、富沢~台原駅間で運行中

 台原~泉中央駅間は代行バスを運行
・三陸鉄道、仙台高速鉄道、阿武隈急行で復旧の目処立たず
<関東>
・計画停電(節電)のため、一部路線・区間での運休や運転本数を減らしての運行を実施

【高速道路】(31日10:00 国土交通省)
<通行止>
・常磐道(いわき中央~常磐富岡)

【一般道路】(31日10:00 国土交通省)
<通行止>
・国道6号(福島県)、45号(岩手県・宮城県)、354号(茨城県)、398号(宮城県)
・都道府県道などの311区間で通行止め

【高速バス】
・東北自動車道、国道4号の全通を受け、運転見合わせの鉄道路線を補う形で東北地方の各都市間のバスが運行中

【航空】(31日10:00 国土交通省)
・仙台空港:3000m滑走路を24時間運用中(救援機のみ)

【フェリー】(29日10:00 国土交通省)
・東北地方で就航する22航路で、港が被害を受けた影響などにより運航再開の見通しがたっていない