理屈が理解できないとか、効果を体感できないとか、
そもそも検証の仕方に問題があるんじゃないの?
という理由で「オカルト」と決めつけるのは早計だと思います。
ただ後になって
「当時のDNA鑑定は精度が低かった」
とか言って、当時は有罪とされた事件が無罪になることもあったりで、
科学を盲信するのも危険です。
というわけで科学なんてものは、
例えば三平方の定理などの不変の真理以外は、
話半分の言葉通り、50%は信じて50%は疑うのが精神衛生上よろしいかと思います。
で、TNレーシングの黒豆君。
いつから販売されていたのか記憶が曖昧ですが、
ラジコンマガジン2002年7月号の新製品紹介コーナーに載っているので、
たぶんその頃に発売されたのでしょう。
発売直後から
「ホンマに効き目あんの?」
と疑いの目で見られていましたが、
当時はEPツーリング全盛期。
皆が皆0.01秒でもラップタイムを詰めるのに躍起になっていた時代背景もあり、
(攻めすぎるあまりフェンスヒットでトータルタイムを10秒落とすのはアルアルでしたね)
そこそこ売れていたと思います。
また2002年のISTCを制したスリカーン・チャイダスリヤが使用していたことも影響していると思います。
(スリカーンでロールセンターを思い出す人、マニア確定です)
そして次号の8月号で早速検証記事が出ていました。
記事によるとちゃんと効果を体感できたそう。
TNレーシングはラジコンマガジンに広告を出稿していなかったので、
ラジマガスタッフによる使用した感想は信用できるのではないかと。
「より効果を高めるためには2個以上の黒豆君でアンプ上面を被うようにすると良い」
この記事通りに、実売価格3800円ほどした黒豆君を2個購入したツワモノもかなり見かけました。
で、コレ。
まあ結論から言うと、黒豆君ではありません。
これ、日本ケミファが発売元のウェルアップというものです。
ピップエレキバンみたいなものですが、
ピップと違って磁気は帯びておらず、
内部の酸化チタンが遠赤外線、表面のシリコン皮膜がマイナスイオンを発生させるというものです。
黒豆君の実売価格3800円に対し、こちらは20粒入りで1500円ほど。
黒豆君が高くて手が出ないから、こちらを買ったというわけではありません。
ちゃんと理由があります。
さらに次号のラジコンマガジン2002年9月号、連載記事の無理難題研究所で、
「探せ!第2の黒豆君」という企画がありました。
ピップエレキバン、ZIMA、RAKUWAネック、いわしの干物、トルマリン入り風水招き猫、
怪しいモノばかりのテスト品のひとつにウェルアップがありました。
テストドライバーはミソ加藤こと加藤隆史氏。
2002年のGPオフ全日本ではトップゴールしながらも、
最終周回、最終コーナーでの接触がバッドドライブとされ、
降着でもなく、周回減算でもなく、タイム加算でもなく、
「失格」と判定された(かなり物議を醸しましたね)、
幻の全日本チャンピオン(と私は思っています)です。
で、結果、
「これは効く」と。
記事によると最初は冗談まじりだったのが(いわしの干物を使うぐらいだからねぇ)、
だんだん本気モードになっていったとのこと。
「当研究所は、このウェルアップを推奨します」
「もしかすると黒豆君のライバルになるかも・・・」
この企画の反響は絶大でウェルアップが黒豆君の競合商品になるどころか、
以後、黒豆君が全く売れなくなったそう。
TNレーシング代表の飯塚幸司氏が
「ウェルアップのせいで黒豆君が全く売れなくなった」
と、当のラジコンマガジン誌上でぼやいていたので間違いありません。
そりゃあ20粒で1500円だからねぇ。
この企画でウェルアップはオカルトではなく、
効き目があることが証明されました。
そして「良いモノ」には類似品が出るのは世の常・・・、
さらに次号の2002年10月号にウェルアップと思しきモノが
クラスタースポーツ社から「快速 栗ちゃん」の商品名で発売されたとの情報が・・・。
それがコレです。
ウェルアップと思しきモノが1個入りで980円。
20個で1500円のモノを1個980円て・・・、
しかしまあちょっと笑えますね。
20個入り1500円のウェルアップをそこそこの数購入して、
それを1個1個ばらしてパッケージ詰めして、
980円で売るという・・・。
その姿を想像すると何かね(笑)。
まあ安く仕入れて高く売るのは商売の基本ですね。
あ、もちろん真偽は不明です。
ひょっとしたらクラスタースポーツ社が独自に研究開発したものかもしれませんからね。
まあモノはオカルトではないが、世の中はオカルトじみているということですかね。
ちなみに私のコレも正確にはウェルアップではなく、
「快速 栗ちゃん」です。
1個980円とウェルアップより割高ですが、
まあ話のネタにと、当時は思って購入したんですが、
まさか20年後にホントにネタにするとは
当時は夢にも思いませんでした😅
さてさて上の写真で、まだオカルトじみたモノがあるのが分かった人は、
相当のマニアです😊
続く・・・