土手善夫一尉頌徳碑(どてよしおいちいしょうとくひ)

今年は大規模自然災害が多発し、自衛隊の災害派遣が多くの国民を救い、注目を集めました。

滋賀県守山市の琵琶湖岸近くに、昭和41年に発生した野洲川氾濫の災害救助時に殉職された自衛官 土手一尉 の慰霊碑が建立されています。
慰霊碑周辺はたいへん綺麗に整備されています。この建立されている場所も、地元の桜の名所であり、すぐ前が運動公園となっています。そして、その石碑も大変立派なもので、建立時の地元の皆様の土手一尉への感謝、敬意の気持ちがひしひしと伝わってきます。

下記の碑文をぜひお読みください。このような立派な先人がおられたことを知っておきたいものです。

危険な任務に日々励まれている自衛隊の皆様に深い感謝と敬意を捧げます。

●参拝日
平成30年11月30日

●場所
美崎公園前(滋賀県守山市今浜町)
美崎自治会館から南西へ約50m

●碑文
故一等陸尉 正七位勲六等 土手善夫君頌徳碑

第一〇九教育大隊長 藤本貞一書

故人は、昭和十一年十一月十五日福知山市で出生、福知山高校卒業後、同三十一年四月防衛大学(第四期生)に入校。三十五年三月卒業、幹部候補生を経て任官後、第三施設大隊に於て第一線小隊長として活躍、昭和四十年三月十六日大津駐屯地第一〇九教育大隊所属となり、区隊長及び副中隊長として新隊員教育に精魂を傾け多大の業績を収めた。

たまたま昭和四十年九月十八日、台風二十四号の襲来に際し、災害派遣を命ぜられるや、派遣隊長として部下三十二名を指揮して野洲川の中洲に孤立、水没に瀕する守山町今浜新田住民の救助のため身を挺して濁流荒れ狂う野洲川にいどみ、流失した大川橋橋脚を利用して救助索を展開中、部下の危急を救わんとして遭難、午前八時五十五分遂にその職に殉じたものである。

君の尊い殉職は自衛官の亀鑑(きかん)として永く後世に伝えられるであろう。土手君の霊よ永久に安かれ。

享年二十八才

昭和四十一年九月十八日建立

(福知山市のご住所が番地まで刻まれていましたので、そこは省略しました)