昨日参加した読書会の課題本『イノベーション・オブ・ライフ』を紹介します。
著者は、ハーバード・ビジネス・スクールの教授で「世界で最も影響力のあるマネジメント50人」で3回連続でトップになったクレイトン・M・クリステンセン氏。
そのクリステンセン教授の最後の講義を1冊の本にしたのが、『イノベーション・オブ・ライフ』です。
経営学の理論を個人の「人生」に落とし込んで、「生きる」ことの本質を問う内容でした。
あなたにとって幸せとは何ですか？
仕事で高い報酬や地位を得ること、権威のある肩書を得ること、大金持ちになって、職業的に「成功」すること？
そういう目に見えやすいもの証に、人は執着しそうになるけれど、
本当に重要なのはそこではないとクリステンセン氏は言います。
本当の幸せを見つける秘訣は、自分にとって有意義だと思える機会を常に求め続ける事。
新しいことを学び、成功を重ね、多くの責任を引き受ける機会を作ることであると。
また、私たちは、日々の生活でやらなきゃいけない「用事」があって、それを何らかの方法で「片付け」ようとするけれど、
奥さんが片付けたいと思っている用事は、旦那さんが考えている用事とはかけ離れている事が多いから、
感謝されるだろうと、良かれと思ってした事が実は見当違いで怒られると言う事は良くある。
などなど、ビジネス書でありながら、人生のあるあるネタみたいな(笑)
読書会の中では、メンバー全員が子育てママということもあって、
第7講『子どもたちをテセウスの船に乗せる』以降の話が、皆さんの心に刺さる言葉が多かったようでした。
なかでも「未来をアウトソーシングしてはいけない」という項目について、
『アウトソーシングを「習い事」と捉えた場合、どう解釈するか？』と話で盛り上がりました。
本書のなかでは、子どもには資源、プロセス、優先事項を与え考えさせることが必要とある。
資源は能力・手段、プロセスは方法、優先事項は動機にあたる。(P147）
最近の親は、子どもに良い教育を受けさせようと一生懸命になっている。
そういう機会を与えることももちろん大切だけれども、
自分が受けたかったけど叶わなかったことを「子どものため」という名目で与えていないだろうか？
子どもの人生を豊かにするために、いろんな経験を積ませようとさまざまな教室へ入れる。
しかし、子どもは親が教える準備が整ったときではなく、子ども自身が「学ぶ準備ができたときにしか学ばない」。
私たち親は、自分の行動をとおして、子どもたちに学んでほしい優先事項や価値観を示す必要がある。
たくさんの習い事でよその大人と時間を過ごすことで、優先事項や価値観をよその人に学ぶなら、この子は一体誰の子どもだろう？
ウチの子も習い事をしているので、ドキッとする一文でした。
子どもは、親が「与えてあげた」「してあげた」と思っていることのほとんどを覚えていません(笑)
本を好きな子になってほしいなら、本を買ってあげるのではなく親が読書する姿を見せたほうが効果的です。
子どもに道を踏み外してほしくなければ、親が正しい道を歩く姿を見せるだけでいいのです。
教えるのではなく、親が見本を、生き方を示すことが重要なのです。
私は常々、会社を経営・運営して人材を育成することと、
家庭を築いて子どもを育てることは似ていると考えているので、
この本が、ビジネス戦略や経営理論を唱えながらも
人間関係、家庭のマネジメント、子育てなど人生の本質をついている点には、
共感と納得させらる部分がたくさんありました。
実際の有名企業の経営戦略の成功例や失敗事例を引き合いに出しながら示してくれるので、具体的で参考になります。
ビジネス書だからと言って、経営者だけに読ませるのはもったいない！(笑)
人生、子育て、働き方に迷っているすべての人たちに、おススメする1冊です。
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