サッカーファンには、いわゆるお正月の楽しみが2つ有りました。
1つは高校サッカーのお正月大会。
秋から始まる地方大会から、最後は国立でできるテレビ中継のある大会で、高校でサッカーをやっていれば誰しもあこがれる大会です。
もう1つは、毎年元日に行われる、テレビでもラジオでも中継される国立競技場で行われる天皇杯決勝。
こちらも地方で勝ち抜けばどのチームにも出場の可能性がある、社会人サッカーチーム員の誰しも憧れる大会になります。
高校サッカーはお正月大会は戻りましたが、元日に天皇杯決勝が行われなくなりました。
コロナが世の中を支配し人類の行動を制限したからです。
2021年は12月に、2022年は10月に、2023年も12月に天皇杯決勝が行われるようになったからです。
2024年、そのサッカーファンの心の隙間を埋めるように、ポッカリ空いた元日にサッカーの聖地国立競技場で日本代表の国際試合を用意しました。
その対戦相手は、タイ。
タイやベトナムは空前のサッカーブームだ。
既にアジアNo1になった日本。
格下相手と戦うだけのアジア大会に参加意義はあるのか。
Jリーグがいまいち盛り上がらないJFAや金儲けしか考えないAFCの課題と向き合わせる試合にもなります。
満員6万人の国立競技場。チケット完売。
先発は、
GK鈴木DF毎熊藤井町田森下MF佐野田中伊東伊藤奥抜FW細谷
新鮮な構成。
2軍軍団の意地を得点差で見せるのか攻め方で見せるのか、6万人のサポーター前でのサッカーの聖地での元日の試合が始まります。
タイペースで試合が始まり、徐々に日本のペースになるが、どちらが日本かわからない似たチームの試合。
高校で言えば姉妹校の試合のようで、タイが西野さん以来今は今井さんが監督しているのが頷ける戦術相手になった。
日本は代表勝利経験以外で得るものは少なそうだ。
出足や短くつなぐ連携では圧倒的に日本有利だが、どこかハッとさせる魅力プレーや目の覚めるシュートが無く、時間が進む。
前半終了。
0:0。
タイの最後のシュートを許さない守備力が目立った前半でした。
日本はつまらなくはないが面白くもない、誰が誰だか分からない、これじゃ客は呼べない前半でした。
後半は、伊藤→堂安、奥抜→中村でスタート。
伊藤は上手だしよくボールに触っていた。奥抜も足は早いし初招集で合格点の出来でした。
後半になって、面白い展開が多くなる。違う動きができるメンバー交代の効果。
後半4分、日本先取点。
堂安の意外性のある大振りパスで伊東がシュート、DFに当たったボールを田中が拾ってシュートが決まった。
1:0。
田中は相変わらず鼻が良い。
その後も目覚めたように日本攻撃が得点を匂わせる。
後半22分、森下→三浦、伊東→南野。
森下は特にミスも無かったが代表レベルかは不明。伊東は今日は点取り意欲は無かった。
後半26分、日本追加点。
三浦が加わり左サイドに力が加わった雰囲気の中、左サイドからの連携後、佐野のシュートを拾った中村のゴール。
2:0。
ようやく日本らしくなってきた。
後半29分、日本追加点。
左CKに細谷がニアで頭で触って、DFに当たってオウンゴール。
3:0。
後半33分、毎熊→菅原、田中→川村。
毎熊は伊東を本気にさせない連携に少し不満。田中は相変わらずごっつぁんとはいえ重要な実績のゴール。
後半36分には追加点。
右サイドからのセンタリングに頭で川村がシュートし、GKが弾くボールを自ら頭でゴール。
4:0。
川村のデビュー戦3分ゴール。
後半45分、日本追加点。
右サイドから南野が中につなぐと堂安がミスるところを相手DFが触ったボールを南野が縦でもらってワンタッチでゴール。
5:0。
南野は少し前にも惜しいシュート後の実績ゴール。南野には実績が重要だ。
そして試合終了。
5:0。
日本代表への元日開催の勝ちゲーム期待のなか、前半は中心選手のいないと得点が上げられないことの証明、後半代表経験豊富な選手投入で一気に攻めの得点可能性を感じさせ、2軍レベルでも当初期待の5点差以上で勝ち試合のできる日本は頼もしい。
2軍レベルの強化には国立で6万人の観客試合経験は十二分でしょう。
今月のアジアカップでも強豪以外なら2軍で5点差以上で勝てるだろうし、強豪に1軍で戦う戦術になるのでしょうが、優勝できるかは今日の試合では未定。
少しドキドキ感の残るアジアカップから今年も期待しましょう。